DAOの作り方と大切な要素を初心者向けに解説
DAOの特徴
DAOはDecentralized Autonomous Organizationの略称で、日本語で自律分散型組織と呼ばれます。そのDAOの特徴を3つ解説します。
偉い人がいない非中央集権
DAOは株式会社のように偉い人が意思決定を行う中央集権的な組織ではなく、スマートコントラクトのルールに沿って参加者全員で意思決定を行う、権利が分散された組織です。
ガバナンストークンやNFTによる意思決定
DAOで意思決定を行う際にガバナンストークンと呼ばれる仮想通貨やNFTを保有しているメンバーで投票を行います。投票による最低投票率や必要賛成票数などはスマートコントラクトでルール設定が可能です。
働き方が自由
DAOでは決められたルールに違反しない限り、自由に働けます。NFTを使用したNouns
DAOではDAOに貢献するプロジェクトを自由に提案し、承認されるとその活動資金が得られる仕組みが実施されています。
DAOを作る上で必要なもの
DAOを作る上で必要となる大切な要素を4つ解説します。
DAOの目的
DAOの目的の明確化が、参加メンバーを集める際に必要です。たとえば、国内最大の6万人の参加者がいるCryptoNinja DAOは、CryptoNinjaを利用したキャラクタービジネスを世界に広げると言う明確な目標があり、その目的に共感するメンバーが参加しています。
投票システム
仮想通貨、またはNFTを利用した投票システムの設計が必要です。そのほかにも、投票の可決投票数や必要投票率などの詳細の設定も欠かせません。
コミュニティ
DAOを作る際にコミュニティがなければ、運営が成り立ちません。集まった人たちが継続してコミュニティで活動できる環境を整える必要があります。
資金
Nouns DAOは毎日自動生成されるNFTをオークションで販売し、その収益をDAOのトレジャリーウォレット(DAOで自由に使えるお金をためるお財布)に軍資金としてためています。DAOで独自に資金を準備できる仕組みがDAOの運営に必要です。
DAOの作り方
DAOの設計ができる便利なサービスを紹介します。
Aragon(アラゴン)
AragonはEthereum(イーサリアム)ブロックチェーンでDAOを作成、管理できるサービスです。1,700を超えるDAOがAragonで生み出されています。DeFiで有名なAAVE(アーベ)やCurve(カーブ)などもAragonで作られたDAOです。
Aragonの機能
- 投票のルール設定
- トークン(仮想通貨)の作成と配布
- 資金管理
COLONY(コロニー)
COLONYは90秒で簡単にDAOを作れるサービスです。投票に参加するには、DAOで使用する仮想通貨とCOLONY独自システムのレピュテーションが必要です。
COLONYの機能
- 仮想通貨の作成と配布(既存の仮想通貨も使用可能)
- 部門やチーム編成
- 作業量から計算されるレピュテーション機能
Niwa(ニワ)
NiwaはArbitrum(アービトラム)、またはPolygon(ポリゴン)ブロックチェーンでDAOを設計できるサービスです。
Niwaの機能
- 発行した仮想通貨をYouTubeやDiscordなどの既存サービスと連携できる
- ステーキング機能
- サポーター向けのNFT発行
DAOを作る際の注意点
DAOを作る際は、以下の2つに注意が必要です。
権力を段階的に分散する
DAOを作成初期は創設者や初期メンバーが、投票に必要な仮想通貨、またはNFTを多く持つことになるでしょう。DAOとしてみんなで意思決定を行うために、初期メンバーの権力を強めない、または権力が段階的に分散するような設計が必要です。
法律を確認する
DAOは新しい概念のため、法律の整備が追いついていません。そのため、今後、法律の変更や規制強化の可能性があります。最近では仮想通貨取引所のFTXが発行した仮想通貨「FTT」が有価証券に分類されました。DAOで仮想通貨を発行する場合は、法律の改正動向を確認するようにしましょう。
この記事では、DAOの作り方や作る際に必要なものなどを解説しました。DAOは既存のサービスを利用して、簡単に作成できます。しかし、難しいのは作ることではなく、DAOの運営です。どのようにDAOに参加してもらい、どのようにDAOを自律分散的に持続性のある発展をさせていくのか。またDAOの透明性を出すための資金繰りや投票システムの設計などがDAOを作るキーポイントになるでしょう。関心のある方は、ぜひDAO作りにチャレンジしてみてください。
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