MetaMask(メタマスク)とは?メリット・デメリットや始め方・使い方を徹底解説
MetaMask(メタマスク)とは?
MetaMaskは、暗号資産を管理するためのEthereum(イーサリアム)ベースのデジタルウォレットです。
管理とは具体的に、暗号資産の「保管・送受金・購入・スワップ(交換)」ができ、財布と銀行口座を掛け合わせたようなイメージです。
また、ウォレットを使うことで、以下のようなサービスを利用できます。
- DApps(分散型アプリケーション)
- NFTコレクションの売買
- ブロックチェーンゲーム
このようなサービスの中には、安全で使いやすいEthereumをベースに作られているものが多数あり、親和性の高いMetaMaskは多くのユーザーに利用されています。
ちなみに、MetaMaskは以下のホットウォレットに該当し、PCとスマートフォンのどちらでも利用可能です。
- ホットウォレット:インターネット上で暗号資産を保管するオンラインのウェレット
- コールドウォレット:インターネットから切り離して暗号資産を保管するオフラインのウォレット
PCではソフトウェアを、スマートフォンではアプリをダウンロードして利用するので、ソフトウェアウォレットやモバイルウォレットとも呼ばれます。
MetaMask(メタマスク)のメリット
MetaMaskのメリットは、以下の5つです。
- 無料ダウンロードするだけで、誰でも利用できる
- 複数のアカウントで、複数の暗号資産を管理できる
- MetaMaskだけで暗号資産の購入・スワップ(交換)ができる
- 様々なブロックチェーンプラットフォームに接続できる
- 取引時に発生するガス代を、自由に設定できる
無料ダウンロードするだけで、誰でも利用できる
MetaMaskのダウンロードは無料で、年齢制限などもなく誰でも利用可能です。
PCでは、Google ChromeなどのWebブラウザの拡張機能として、無料ダウンロードできます。
スマートフォンの場合でも、無料でアプリをダウンロードできます。
また、日本語対応もしているので、初めて暗号資産に触れる方でも安心して利用できるでしょう。
複数のアカウントで、複数の暗号資産を管理できる
MetaMaskでは、アカウント(ウォレット)を複数作成できます。
銀行口座を、事業資金や普通預金、子供のための教育資金口座など用途別に複数口座開設するように、アカウントをテスト用や事業用、プライベート用など、複数の用途に合わせて使い分けができます。
また、1つのアカウントで複数の暗号資産を管理することも可能です。
現在、MetaMaskは複数のブロックチェーンに対応しており、以下のようなEthereum以外で発行された暗号資産も管理できます。
- MATIC(ポリゴン)
- BNB(バイナンスコイン)
- AVAX(アバランチ)など
ウォレットによっては、1アカウントで1種類の暗号資産しか管理できないものもあるので、複数の暗号資産を管理できるのは、MetaMaskが優れている点です。
MetaMaskだけで暗号資産の購入・スワップ(交換)ができる
MetaMaskでは、取引所を介さずに暗号資産の購入・スワップ(交換)ができます。
暗号資産の購入・スワップは、暗号資産取引所で行うのが一般的です。
例えば、手持ちのETH(イーサ)をBNB(バイナンスコイン)にスワップする場合は、以下の手順で行います。
- ウォレット内のETHを取引所に送金する
- 取引所でETHとBNBをスワップ(交換)する
- スワップしたBNBをウォレットに送金する
このように、ウォレット内の暗号資産をスワップする場合、2度の送金時に手数料と手間が発生します。
一方、MetaMaskなら、クレジットカードなどで暗号資産を購入でき、MetaMaskのみでスワップも可能です。送金にかかる手数料や手間を省ける点もメリットのひとつでしょう。
様々なブロックチェーンプラットフォームに接続できる
MetaMaskは、接続できるブロックチェーンプラットフォームが豊富です。
基本的に、DeFi(分散型金融)やNFTマーケットプレイス、ブロックチェーンゲームなどのEthereum上のあらゆるプラットフォームに接続できます。
また、対応するブロックチェーンが増えてきているのもポイントです。
Ethereumに限らず、様々なブロックチェーンで開発されたプラットフォームで利用できるので、汎用性の高いウェレットといえるでしょう。
取引時に発生するガス代を、自由に設定できる
MetaMaskは、ガス代をある程度自由に設定可能です。
ガス代とは、ブロックチェーンの利用料で、その価格は取引の処理速度に関係します。
高く設定すれば、優先的に処理されるので急な取引にも対応できます。反対に低く設定すれば、取引に時間はかかるもののガス代を節約することが可能です。
Ethereumでは、ガス代が高いと問題になっており、MetaMaskで自由に設定することで払い過ぎを防げるので、積極的に利用するといいでしょう。
MetaMask(メタマスク)のデメリット
MetaMaskのデメリットは以下の3つです。
- セキュリティ面に不安が残る
- 利用できるブラウザが限られる
- 対応するブロックチェーンが限られる
ひとつずつ見ていきましょう。
セキュリティ面に不安が残る
MetaMaskは、暗号資産をオンラインで保管するホットウォレットです。
オンラインで保管している以上、ハッキングのリスクは避けられません。
とはいえ、秘密鍵やシードフレーズを公開しなければ、基本的にウォレット内の暗号資産は安全といえます。
ちなみに、購入した暗号資産を取引所で保管することも可能です。ただしその場合は、運営会社の倒産や人的ミスによる漏洩の被害もあり得るので、自身で管理するウォレットの用意をオススメします。
どうしても心配な方は、コールドウォレットを用意してオフラインで保管しましょう。
利用できるブラウザが限られる
現在MetaMaskをインストールできるブラウザは、以下の4つです。
- Chrome
- Firefox
- Brave
- Edge
Macにデフォルトで搭載されているSafariなど、インストールできないブラウザもあるので注意が必要です。お使いのブラウザをご確認ください。
対応するブロックチェーンが限られる
MetaMaskは、対応するブロックチェーンが限られるので、暗号資産によっては別のウォレットを用意する必要があります。
例えば、ビットコインブロックチェーンには対応していないので、BTC(ビットコイン)を管理することはできません。
Ethereumと互換性のある、以下のブロックチェーンには対応できます。
- Binance Smart Chain(BNB)
- Polygon(MATIC)
- Avalanche(AVAX)
- Fantom (FTM)
- Harmony (ONE)
各ブロックチェーンの詳細は、MetaMask公式サイトに記載されているので、接続する際はご覧ください。
MetaMask(メタマスク)の始め方
MetaMaskの始め方は、以下の2通りです。
- パソコン・Webブラウザで始める方法
- iPhone・スマホアプリで始める方法
パソコン・Webブラウザで始める方法
パソコン・Webブラウザで始める場合は、以下の3ステップで作成出来ます。
- 公式サイトにアクセスして、ダウンロードする
- MetaMaskのアカウントを作成する
- アカウントのセットアップをする
公式サイトにアクセスして、ダウンロードする
まずは、MetaMaskの公式サイトにアクセスして「Download for 〇〇」をクリックをクリックします(〇〇には使っているブラウザが表示されます)。
フィッシングなどの詐欺サイトも存在するので、サイトドメインが「metamask.io」であることを確認してください。
クリックするとWebストアに遷移するので、ブラウザの拡張機能としてインストールしましょう。
MetaMaskのアカウントを作成する
MetaMaskを開くと、以下の画面が表示されるので「開始」をクリックします。
初めての方は「ウォレットを作成」をクリックして、アカウントのセットアップに移りましょう。
アカウントのセットアップをする
セットアップは、以下2点を設定します。
- パスワード(秘密鍵)の設定
- リカバリーフレーズの設定
どちらも、紛失・公開しないよう徹底してください。
まずは、パスワードの設定を行います。8文字以上のお好きな文字列で構いません。
入力が済んだら、利用規約の同意にチェックを入れて「作成」をクリックします。
続いて、リカバリーフレーズの設定です。パスワード(秘密鍵)やリカバリーフレーズについては「パスワードと秘密鍵の違いは?」をご覧ください。
リカバリーフレーズが表示されるのでメモしましょう。
先ほどメモした通りに正しい順番でワードを入力して、確認をクリックしましょう。
以上でMetaMaskの作成は完了です。以下のような画面が出るので確認してください。
iPhone・スマホアプリで始める方法
モバイルウォレットとしてアプリで始める場合は、以下の3ステップで作成できます。
- 公式サイトからアプリをダウンロードする
- MetaMaskのアカウントを作成する
- アカウントのセットアップをする
今回はiOS版(iPhone)のアプリで解説しています。
公式サイトからアプリをダウンロードする
まずは公式サイトから「Download」をクリックして、アプリストアに遷移します。
公式サイトのドメインが「metamask.io」であることを確認してください。
アプリを「入手」して「開く」をタップします。
MetaMaskのアカウントを作成する
MetaMaskアプリを開いて「開始」→「新規ウォレットの作成」の順にタップしましょう。
途中で、MetaMaskへの改善協力を提案されます。問題なければ「同意」でいいでしょう。
「同意しない」をタップしても問題なくMetaMaskは利用できます。
アカウントのセットアップをする
セットアップは、以下2点を設定します。
- パスワード(秘密鍵)の設定
- リカバリーフレーズの設定
どちらも、他人へ絶対に見せてはいけません。
まずは、パスワードの設定をします。自由に設定して構いませんが、わかりやすいものは避けましょう。
セキュリティに関する動画が流れるので、一度見ておくことを推奨します。
続いて、リカバリーフレーズの設定を行いましょう。ウォレットの安全面に関して注意事項が表示されるので、よく読み「開始」をタップします。
次に、表示されたリカバリーフレーズをメモしてください。画像では、解説のためにリカバリーフレーズを公開していますが、絶対に公開しないようにしましょう。
「続行」をタップすると、リカバリーフレーズの入力画面に切り替わるので、メモした通りに入力します。
「バックアップの完了」ボタンが青色になるので、タップしてセットアップ完了です。
MetaMask(メタマスク)の使い方
MetaMaskの使い方は、以下の3ステップです。
- 暗号資産を準備する
- MetaMaskに送金する
- 各種サービスに接続する
暗号資産を準備する
まずは、暗号資産取引所の口座を開設し、暗号資産を手に入れましょう。
今回は、日本円の入金手数料が無料の「FTX Japan」を例に解説します。
FTX Japanの口座開設をまだしていない方は「FTX Japanの口座開設方法や使い方を解説」を参考にしてください。
「入金」画面から「銀行振込」を選択しましょう。
入金口座(PayPay銀行)が表示されるので、日本円の入金をしましょう。入金した日本円は、FTX Japanのウォレットに移されます。
その後「マーケット」へアクセスし、入金した日本円でETHを購入します。
MetaMaskに送金する
続いて、購入したETHをMetaMaskに送金しましょう。
「ウォレット」画面から、ETHの「出金」をクリックしてください。
出金先(MetaMask)のアドレスを要求されるので、MetaMaskを開いて、アドレスをコピー&ペーストしましょう。
手打ちしてアドレスを間違えると、暗号資産がなくなってしまうので注意してください。
出金数量と認証コードを入力して「出金」をクリックすれば完了です。
ドメイン名は、空白で構いません。
各種サービスに接続する
MetaMaskにETHが着金していることを確認できたら、各種サービスに接続していきましょう。
今回は、世界最大級のNFTマーケットプレイスであるOpenSea(オープンシー)を例に解説します。
右上のウォレットマークからMetaMaskを接続できます。
接続したいMetaMaskのアカウントを選択すると、OpenSeaとMetaMaskの接続を承認する署名を求められるので「署名」をクリックしましょう。
このようにMetaMask(ウォレット)ひとつで、さまざまなプラットフォームでサービスを受けられます。
わざわざ、プラットフォームごとにアカウントを作ったり、いくつものパスワードを管理したりせずに済みます。
また、接続もスムーズにできるので、ストレスなくNFTの売買やブロックチェーンゲームなどを楽しむことが可能です。
MetaMask(メタマスク)でよくあるQ&A
MetaMaskでよくある質問を3つまとめました。
- パスワードと秘密鍵の違いは?
- 送金できる暗号資産の種類は?
- MetaMaskを使うときの注意点は?
パスワードと秘密鍵の違いは?
パスワードと秘密鍵の違いは、以下の通りです。
- パスワード:PCやスマホ、アプリなどをロックする任意の文字列
- 秘密鍵:MetaMaskのアクセス・送金権限をロックする文字列
他にも、複数の単語で構成される「リカバリーフレーズ」や「シードフレーズ」というものもあります。これを知っていれば、ウォレットを復元する権限が与えられます。
送金できる暗号資産の種類は?
現在、MetaMaskと互換性のあるブロックチェーン(暗号資産)は以下の通りです。
- Ethereumチェーン(ETH)
- Binance Smart Chain(BNB)
- Polygonチェーン(MATIC)
- Avalancheチェーン(AVAX)
- Fantomチェーン(FTM)
- Harmonyチェーン(ONE)
上記のチェーン上で発行されている暗号資産は、MetaMaskに送金可能です。
例えば、Ethereum系ブロックチェーンで発行されている暗号資産はETHだけでなく、以下の銘柄があります。
- USDC(USDCoin)
- BAT(Basic Attention Token)
- DAI(Dai Stablecoin)
自身が購入したい暗号資産が、MetaMaskに対応しているチェーンで発行されているか調べた上で、購入するのが良いでしょう。
MetaMaskを使うときの注意点は?
MetaMaskを使うときの注意点は、以下の3つです。
- 秘密鍵とリカバリーフレーズは、絶対に誰にも見せない
- 送金の際に、入力するアドレスを間違えない
- 署名の際に、要求先のドメインを確認する
いずれも資産の消失・盗難につながるので気をつけましょう。
秘密鍵とリカバリーフレーズは絶対に誰にも見せない
秘密鍵は、MetaMaskのアクセス・送金権限です。
他人に知られると、MetaMask内の資金が知らないウォレットに送金されてしまう恐れがあります。あなたの資金が、謎のウォレットに送金されたという記録はブロックチェーンに記録されますが、謎のウォレットの所有者を突き止めることは非常に困難です。
また、リカバリーフレーズはウォレットを復元するためのものです。
流出すると、あなたのMetaMaskアカウントがあなたの知らないところで勝手に復元され、資金が盗まれます。
どちらも、絶対に誰にも見せてはいけません。また、保管はノートなどの紙に記して、オフラインで管理しましょう。
送金の際に、入力するアドレスを間違えない
送金先のアドレスを間違えたり、使用するネットワークを間違えたりすると、送った資金が消えてしまいます。
はじめのうちは、ていねいに何度も確認しながら操作を行ってください。
また、暗号資産だけでなくNFTも保管できるので、MetaMaskで一括管理しようと考える方もいるでしょう。送金の頻度が高い方や慣れていない方は、以下を徹底してください。
- 手入力ではなく、必ずコピペしてアドレスを入力する
- 初めて送金するアドレスには、少額でテスト送金する
- 何度も使うアドレスは、アドレス帳に登録する
署名の際に、要求先のドメインを確認する
MetaMaskを各種サービスに接続する際、サービスプラットフォームを利用するための署名が求められます。
通常は何の問題もありませんが、フィッシングサイトからの署名要求にサインしてしまうと、資産を抜きとられる可能性があります。
正規のサイトドメインなのかチェックしてから、署名するよう心がけましょう。
MetaMask(メタマスク)に関するまとめ
MetaMaskについて解説してきました。最後にもう一度、内容をまとめます。
主な機能は、以下の2つです。
- 暗号資産の保管・購入・送受金・スワップ
- Ethereumベースのサービスに利用できる
現在、MetaMaskは以下のようなブロックチェーンに対応可能です。
- Ethereum系chain(ETH)
- Binance Smart Chain(BNB)
- Polygon(MATIC)
- Avalanche(AVAX)
- Fantom (FTM)
- Harmony (ONE)
つまり、MetaMaskを利用することで、複数の暗号資産をまとめて管理でき、様々なブロックチェーンで開発されているプラットフォームでサービスを受けられます。
主要なブロックチェーンにも対応しており汎用性が高く、日本語対応している点やUIが分かりやすい点など、これから暗号資産に挑戦してみようと考えている人におすすめのウォレットです。
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