ビットコインは半減期前後で価格はなぜ上がるのか?【チャート画像あり】

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ビットコインは半減期前後で価格はなぜ上がるのか?【チャート画像あり】

ビットコインの半減期とは

ビットコインには「半減期」という時期があります。その名の通り、マイニング報酬が半減する時期のことを指します。

マイニングとは、ネットワークに参加しているマイナーと呼ばれる人が、プログラムで自動生成される膨大な計算式を解くことで、ビットコインを獲得できるシステムのことです。

半減期とはこのマイニングで獲得できるコイン数が半減し、市場に新たに出回るコインが減る時期のことです。

半減期はおよそ4年に1度訪れるので、当初は50BTCだったマイニング報酬も、最初の半減期の2012年11月に25BTCに半減し、その後4回の半減期を経て、2025年6月現在では3.125BTCとなっています。じわじわと獲得枚数が減り、2140年にはすべてのビットコインがマイニングされる計算となります。

そして過去のデータを見る限り、半減期の前後にはビットコインの価格、取引量が増加する傾向があることがわかっています。

ビットコインの半減期で価格が上がる理由

ビットコインは「半減期の前後で価格が上昇しやすい」と言われており、実際に過去4回の半減期すべてで価格が大きく上昇しています。4回とも共通して起こった事象のため、この現象は一時的な偶然ではなく、半減期そのものが投資家の判断材料になっていると考えられます。

半減期には、新たに発行されるビットコイン(マイニング報酬)が半分に減る仕組みのため、「将来的に市場に出回る枚数が少なくなる」ことで、ビットコインの希少性が高まり、「今のうちに買っておこう」と考える投資家が増えます。実際に過去のデータでも、半減期前後で「強気投資」が活発化しています。

「今後さらに価格が上がるかも」と思い購入する人が増えると、その動きを見た他の投資家もビットコインを購入するようになり、多くの人が購入するようになり、実際に価格が上がるという循環が起こりやすくなります。

それでは、過去4度の半減期前後の実際の価格変動のチャートを見ていきましょう。

過去4度の半減期前後の価格変動

2025年6月3日時点で、過去に4度の半減期がありました。半減期の頻度は、前回の半減期から21万ブロックが生成された時と決まっているので、ある程度時期の予測は可能です。

https://charts.bitbo.io/halving-progressより引用

過去のデータを見る限り、以下の事柄が判明しています。

  1. 半減期の1か月~2か月前から価格が上昇、取引額も増えることが多い
  2. 半減期から1年~1年半後に価格がピークを迎えている

過去4回の半減期について、上記がデータとして明らかになっています。それでは順番に解説していきます。

2012年11月28日

https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoinより引用

初めて半減期が到来した際には、まだビットコインを持っている人の数が多くなかったこともあり、現在ほどの大きな変動はありませんでした。

半減期から134日後の2013年4月11日、価格がピークとなり、半減期の日に1,026.24円だったものが、約22倍の22,714.26円まで上昇しています。

2016年7月9日

https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoinより引用

2回目の半減期は2016年7月9日でした。2012年よりも暗号資産の知名度も高くなり、保有する人の数も増えていました。

半減期の1か月くらい前から取引が活発になっている様子が見え、5月の取引量が平均して10B(100億)以下だったのに対し、6月に入ると10B以上の日が増えていることが確認できました。

価格についても、半減期当日には66,991.58円だったものに対して、180日後の2017年1月5日には135,013.52円(半減期から約2倍)、417日後の8月30日には501,688.4円(約7.5倍)へと価格が高騰しています。

価格の上昇が半減期の1か月前に始まっていることは今後の半減期データについても共通しているので、今後ビットコイン投資を始める方はぜひ覚えておいてください。

2020年5月11日

https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoin/より引用

この頃には取引額が6兆円を超えることもあり、仮想通貨も投資対象として一般的になりつつありました。

そして3回目の半減期は2020年5月11日、前回と同じように半減期の1か月少し前から価格が上昇していました。1か月前の4月10日は1BTC=744,052.85円だったものが、直前5月8日には1,057,121.21円まで上昇しており、価格が1か月弱で約1.4倍に成長していることがわかりました。

半減期当日には936,041.18円だったものが、338日後の4月14日には6,915,354.76円へと約7.4倍に高騰しています。

一方で、前回と比べると取引量には変動がほとんどなく、安定して5兆円程度となっていました。

2017年末~2018年にかけて、いわゆる「億り人」ブームがあり、保有者も増えたと同時に損失を出す人も増えたことで、勢いで行動する人が減ったことの表れかもしれません。

2024年4月20日

https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoin/より引用

4回目となる半減期は、2024年4月20日に訪れました。

今回は少し早めの2月の中旬から価格が上昇し始め、2月17日には7,835,989.64円だったものが3月2日には9,370,674.83円に上昇し、直前の4月9日には1,000万円を突破して10,876,492.95円となった日もありました。

そして2024年4月20日、4回目の半減期当日には9,872,976.34円だったものが、398日後の2025年5月23日に史上最高値の16,066,551.16円を記録したことがニュースになっていたことも記憶に新しいと思います。

このように、過去4回のビットコインの半減期について、実際のチャートを用いて解説してきました。過去の事例から分かることは以下の2つです。

  • 半減期の1か月~2か月前から価格が上昇、取引額も増えることが多い
  • 半減期から約381日後に価格がピークを迎える(1回目半減期を除く)

様々な要因があるので原因の解明は難しいですが、事実ベースとして半減期前後には大きく価格変動が起こることは確かです。投資判断の際には憶測ではなく、あくまで事実ベースで客観的なデータを用いるようにしてください。

簡易的に表形式でまとめたので、再度値動きの幅をご確認ください。

回数 日付 ブロック報酬 半減期当日の価格 ピーク時の価格 半減期からの日数
1回目 12/11/18 50BTC 1,026.24円 22,714.26円(約22倍) 134日後
2回目 16/7/9 25BTC 66,991.58円 504,344.62円(約7.5倍) 419日後
3回目 20/5/11 12.5BTC 936,041.18円 6,915,354.76円(約7.4倍) 326日後
4回目 24/4/19 6.25BTC 9,872,976.34円 16,066,551.16円(約1.6倍) 398日後
※半減期後、上昇幅が大きいタイミングを「ピーク」と記載しています。実際の購入前には、ご自身でもチャートをご確認ください。
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ほかにも、SBI VCトレード口座開設の手順や審査落ちしてしまったときの対策を解説しました。

次回の半減期はいつ?

次回、第5回目の半減期は2028年頃とされています。

計算方法として、10分に1度自動で生成されるブロックが21万ブロックに到達すると半減期となります。数週間のずれはあると思いますが、ChatGPTに聞いたところ、2028年7月25日とのことです。

また日付が進めば、より詳細な半減期が分かると思います。国内外を問わず、暗号資産取引所各社が予測を出しているので、ご自身でも確認してみてください。

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ビットコインに半減期がある理由

半減期が存在する理由は明言されていないので推測になります。

一般的に、インフレ(通貨価値の低下)を防ぐためと言われています。また、2008年のリーマンショック時、銀行の対応に疑念を覚えたビットコイン創設者であるサトシ・ナカモトの思想も反映されていると考えられています。

「インフレ」を避けるため

まず、暗号資産における「インフレ」について簡単に説明します。

一般的にインフレとは、「モノの値段が上がること(=お金の価値が下がること)」を指します。たとえば、昨日まで1万円で買えたものが、今日は1万5千円になっていたとしたら、同じ1BTCなのに買える量が減ったことになります。

一方ビットコインなどの暗号資産の世界では、「供給がどんどん増えて価値が下がっていく」ことを、厳密には少し意味が違いますが、便宜上インフレと呼ぶことがあります。つまり、「新しくコインが発行されすぎると、そのコインの価値が下がってしまう」という意味です。

例えば、1BTC=1万円だったものが、BTCの発行が増えすぎて1BTC=5,000円になったとします。昨日は1BTCでバナナ10本買えたのに、今日は5本しか買えなくなってしまった。これが価値が下がった=インフレ状態です。

ビットコインは、こうしたインフレを防ぐために、最初から「発行枚数の上限」と「4年ごとに発行スピードを減らす仕組み(=半減期)」が設計されています。これによって、定期的にコインの希少性が高まり、価値が維持されやすくなっているのです。

ビットコインには2008年に作られた時点で、現在に至るまで価値が落ちない仕組みが組み込まれていました。そこにはビットコイン創設者の意思が感じ取れると言われています。

サトシ・ナカモトの思想とは?

ビットコインを生み出した人物として知られる「サトシ・ナカモト」の思想も半減期に反映されているというのが通説になっているように感じます。

彼が個人なのか、複数人のグループなのかすら分かっていませんが、彼(または彼ら)が2008年に公開した論文や最初のビットコインに残したメッセージ、そしてビットコインの仕組みそのものから、ある種の「思想」が読み取れると多くの研究者が指摘しています。

(※本人が明言したわけではなく、状況証拠からの推測です。)

それは、中央集権的な金融システムへの強い疑問や不信感です。

たとえば、政府や中央銀行が一方的に通貨を発行・操作する現行の仕組みに対し、「本当にそれが公正で安全なものなのか?」という問いかけが込められているとも考えられます。

実際、ビットコインには発行上限が定められており、約4年ごとに新規発行ペースが半分になる「半減期」も組み込まれています。これは価値の下落(インフレ)を防ぎ、法定通貨のように第三者の判断で無制限に刷らせないための仕組みとも考えられます。

つまり、ビットコインという仕組みそのものが他者の判断に依存せず、誰もが平等に扱える通貨を体現し、現行の銀行を中心とした金融システムへのカウンターとなっているという見方もあります。

ちなみにサトシ・ナカモトについての詳細は以下の記事でご覧下さい。

サトシナカモトの正体は? 論文の内容や大量のビットコインの行方を解説

ビットコインの半減期についてのQ&A

ビットコイン以外にも半減期はあるのか

半減期があるコインもありますが、すべてのコインに半減期があるわけではありません。

あるもので代表的なものでいうと、Litecoin(LTC)、Bitcoin Cash(BCH)、Zcash(ZEC)、Dash(DASH)などが該当します。

半減期にデメリットやリスクはあるのか

ビットコインの半減期は、価格上昇の期待が集まる一方で、いくつかのリスクも伴います。最大のデメリットは、マイニング報酬が半分になることでマイナーの収益性が大きく低下する点です。

これにより、採算が合わなくなったマイナーが撤退し、ネットワークのハッシュレート(処理能力)が低下すると、セキュリティリスクや取引遅延の可能性が高まります。

また、価格が期待通りに上昇しない場合、投資家の「失望売り」による暴落も起こりえます。

さらに、小規模なマイナーが撤退することで、大手マイニング企業による中央集権化が進む懸念もあります。こうしたリスクも念頭に置きつつ、半減期を冷静に見極める姿勢が重要です。

2140年にビットコインがマイニングされ終えたらどうなるのか

ビットコインは最大発行枚数が2,100万枚と決められており、2140年頃にはすべてのビットコインがマイニングされ終わるとされています。

このとき新たなコイン報酬はなくなりますが、マイナー(採掘者)は取引手数料によって報酬を受け取る仕組みに移行します。

つまり、ブロックを生成してトランザクションを処理する対価として、ユーザーが支払う送金手数料が主な収益源となります。この構造がしっかり機能すれば、ネットワークの維持は可能です。

ただし、報酬が十分でない場合はマイナー離れが起き、セキュリティや処理能力の低下につながるリスクもあります。

一方、マイナーでない通常のビットコイン投資家にとっては、供給が完全に固定されることで「デジタルゴールド」としての希少価値がさらに高まると期待されており、長期的な資産保有という観点ではむしろメリットと捉える向きも多いです。

まとめ

今回はビットコインの半減期について解説してきました。

  • 半減期前後で価格が上がるのは希少性が高まるから
  • 半減期とは4年に1度、マイニング報酬が半減するタイミングのこと
  • 半減期の存在理由は明らかではないが、インフレを避けるため、そしてサトシ・ナカモトの思想によるもの説が濃厚
  • 過去4回、半減期前後では実際に価格が高騰している

2025年5月23日に1BTCが1600万円を超えたニュースがありましたが、半減期から398日後のことでした。これらの事実を知って、次回2028年の半減期に今のうちから備えておきましょう。

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