Uniswap V4とは?変更点や特徴を解説
Uniswap V4とこれまでのバージョンの概要
(引用元:Uniswap Labs)
これから、UniswapのバージョンやV4について、以下から解説していきます。
- Uniswapのこれまでのバージョン
- Uniswap V4の概要
Uniswapのこれまでとこれからの概要をチェックしていきましょう。
Uniswapのこれまでのバージョン
Uniswapは、AMMのDEXです。
これまで、Uniswapは何度か大型のバージョンをローンチしています。
そして、バージョンごとに新たな機能や性能強化が行われてきました。
UniswapのV1ではAMMを導入したDEXとして登場し、V2ではスリップページや効率などを改善しました。
V3は現在のバージョンで、手数料体系の変更などによってさらなる資本と流動性の効率を向上させています。
Uniswap V4の概要
Uniswap V4では、フックの導入によってプールのバリエーションが増えること、それに伴ってルーティングやプール間の転送の効率を向上させることに焦点を当てています。
Uniswap V4では、プール作成のカスタマイズ性が大きく向上し、プールのバリエーションが増加すると見られています。
Uniswap V3では手数料の仕組みを変更することで資本効率などを向上させました。
一方で、Uniswap V4ではプールのコントラクトを調整し、プール関連のさまざまなプロセスにおける効率を向上させます。
上記に伴い、Uniswap Xといった関連のソリューションも発表されました。
Uniswap V4の変更点と関連のソリューション
これから、Uniswap V4の変更点や関連するソリューションについて、以下から解説していきます。
- フック
- シングルトン
- Uniswap X
これまでのUniswapとV4の違いをチェックしていきましょう。
フック(Hooks)
Uniswap V4の大きな特徴が、フック(Hooks)です。
Uniswapの流動性のプールには、作成に伴っていくつかライフサイクルがあります。
具体的には、デフォルトの手数料で作成され、流動性が追加・削除・調整されます。
Uniswap V3では、こういった一連のライフサイクルが、順序に伴って実行されていました。
Uniswap V4では、フックという機能で、この点に柔軟性をもたらします。
各ライフサイクルのイベントごとに、任意のコードを挟めるようにします。
上記によって、プールに新たな特性や機能を追加可能です。
上記のように、カスタマイズできる余地のあるプールが登場することで、Uniswap V4におけるプールのバリエーションは増加すると見られています。
シングルトン
シングルトンでは、プールごとのコントラクトが簡素化されます。
これまでのUniswapでは、各プールごとに新たなコントラクトを展開していました。
上記によって、プールの作成ごとに余分なコストが掛かっていました。
これを解決するために、シングルトンコントラクトという1つのコントラクトが、全てのプールを持つようにします。
これによって、各プールがコントラクトを持つ必要がなく、新たなコントラクトの展開も不要です。
また、フラッシュアカウンティングという関連の技術の導入で、プール間のスワップが簡素化され、効率が上がります。
Uniswap X
ルーティングのUniswap XとUniswap V4は、直接的には関係ありません。
しかし、Uniswap V4において重要な役割を果たすと考えられます。
というのも、Uniswap V4ではフックによってプールのバリエーションが増加します。
すでに増加傾向であったプールの数は、より増加していくと見られ、プール間のやり取りは複雑になっていくと考えられます。
その点に焦点を当てたのが、オンチェーンのルーティングを扱ったUniswap Xです。
ルーティングとは、さまざまなプール・取引所が存在する中で、提供されている価格から最適のものを探し、整理するものです。
Uniswap V4でより複雑になる環境において、Uniswap Xは利用者がより効率的に最適な価格で取引できるようにします。
Uniswap V4によるメリット・特徴
これから、Uniswap V4がもたらすメリットや特徴について、以下から解説していきます。
- ネイティブETHの復活
- プールのバリエーションと例
- ガス代の低下
Uniswap V4によって、結局どんなメリットや恩恵があるのか?という点をチェックしていきましょう。
ネイティブETHの復活
まず、分かりやすい点がネイティブETHのペアの復活です。
V2以降、UniswapではネイティブETHのペアは削除されており、WETHが主に活用されていました。
上記によって、Uniswapユーザーは普段、ETHからWETHへの変換を行っており、この変換にはガス代が必要です。
ネイティブETHの取引ペアが復活することによって、こういった余分なガス代がかからなくなります。
プールのバリエーションと例
Uniswap V4では、プールのバリエーションが増えて、さまざまな特性がプールに付与されます。
その中でも注目されているのは、以下のようなものです。
- TWAMM
- 何らかの要素に基づくダイナミック手数料
- オンチェーンの指値注文
- LP手数料をポジションへ自動的にリターン
ただし、上記のようなものはすでに考えられているもので、一部の例に過ぎません。
今後、フックによって自由に開発を行えるため、革新的なものが登場する可能性があります。
ガス代の低下
シングルトンやフラッシュアカウンティングといった機能は、さまざまな点からガス代の低下を期待可能です。
例えば、シングルトンでプールを作成する際のガス代は、99%削減される可能性があることが指摘されています。
また、各プール間の効率的なやり取りが可能になることで、複雑な経路を辿っていたプロセスが簡素化され、発生するガス代も軽減可能です。
こういった点は、Uniswapを実際に利用して取引を行う際のガス代を節約できることに繋がります。
ローンチ時期は不透明
Uniswap V4は、2023年6月にドラフトコードが発表され、大まかな方針が発表されました。
しかし、実際のローンチ時期は不透明です。
概ね、イーサリアムの次のアップデートであるDencunアップデート後の実装になると考えられています。
ただ、そのDencunアップデートの延期が発表されており、2024年にずれ込む可能性についても指摘されている状態です。
また、イーサリアムの大型のアップデートは複数回繰り返して遅延することが多く、より長期的なスパンで遅れる可能性もあります。
そのため、今後2023年末から2024年初旬にかけて何らかの動きがある可能性がありますが、具体的な日時は不明です。
Uniswap V4についてまとめ
この記事では、Uniswap V4について解説しました。
Uniswapは代表的なDEXとして、AMMとしては最も大きな取引量を持ち、DEX全体でもTOPにランクインするプロトコルです。
そのため、DeFi全体への影響力も強いため、Uniswap V4は今後も注視していきたいトピックの1つです。
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