デジタル通貨DCJPYとは?特徴やメリットについて徹底解説!
デジタル通貨DCJPYとは
DCJPY(ディーシージェイピーワイ)とは、日本円と価格が連動する円建てのデジタル通貨のことです。
銀行が管理しDCJPYの発行、送金、償却ができる「共通領域」と、ビジネスなどに合わせたプログラムを追加できる「付加領域」に分かれた二層構造のプラットフォームが特徴です。
2023年2月時点では開発段階にあり、デジタル通貨フォーラムでの検討や実証実験を進めています。
また、DCJPYの名前は正式に決定していないため仮称です。
参考:デジタル通貨DCJPY – ディーカレットDCP (decurret-dcp.com)
デジタル通貨DCJPYの特徴
DCJPYの特徴は以下の3つです。
- 民間主導のデジタル通貨
- ステーブルコインの一種
- 二層構造のプラットフォーム
民間主導のデジタル通貨
DCJPYは、デジタル通貨フォーラムが中心となって開発を進めているデジタル通貨です。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは違うもので、民間の銀行が発行するデジタル通貨となっています。
日本銀行によると、中央銀行デジタル通貨について以下のように定義されています。
(1)デジタル化されていること、(2)円などの法定通貨建てであること、(3)中央銀行の債務として発行されること。
DCJPYの場合は、中央銀行ではなく民間の銀行が発行する点に違いがあります。
デジタル通貨フォーラム
株式会社ディーカレットDCPを事務局として、デジタル通貨フォーラムを2020年12月に発足しました。
2023年2月時点では合計で100を超える民間企業や関係省庁、自治体などで構成されています。
例えば、以下の企業が参加しています。
- 株式会社三菱UFJ銀行
- NTTグループ
- 東京都
- 関西電力
- 株式会社HashPort
- ヤマトホールディングス株式会社
- 株式会社ローソン
また、金融庁、総務省、財務省、経済産業省、日本銀行もオブザーバーとして参加しています。
デジタル通貨フォーラム内で検討を進めるとともに、各分科会に分かれて実証実験を進めています。
参考:デジタル通貨フォーラムメンバー – ディーカレットDCP (decurret-dcp.com)
ステーブルコインの一種
DCJPYは、日本円の価格に連動する円建てのステーブルコインです。
ステーブルコインとは資産を裏付けに価格を調整しているコインのことで、Tether社のドルを裏付けとしてドルの価格と連動するUSDTが有名です。
DCJPYの場合は銀行預金の残高から発行され、円と連動する円建てのステーブルコインとすることを想定しています。
二層構造デジタル通貨プラットフォーム
DCJPYは、「二層構造デジタル通貨プラットフォーム」で運用されます。
ブロックチェーンを利用した2つの領域が連携するプラットフォームで、「共通領域」と「付加領域」に分かれています。
共通領域
デジタル通貨を発行、送金、償却する領域です。
パーミッション型のブロックチェーン(管理者が存在する)で、銀行によって資産は管理されます。
デジタル通貨口座の作成や取引の照会なども可能です。
付加領域
事業者がプログラムを組み込める領域です。
プログラムを組み込むことにより、事業内容に応じた自動的な取引が可能になります。
デジタル通貨DCJPYのメリット
DCJPYを使うことのメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
以下の3つを解説します。
- 業務効率が改善される
- 価値が安定している
- 経済圏を超えて利用できる
業務効率が改善される
DCJPYが実際に運用されることで、業務の効率改善に期待できます。
例えば、請求と支払いの自動化を実現可能です。
契約処理をプログラムによって事前に組み込んでおき、請求データを確認したら自動で取引先に振り込むといったことが可能です。
他には、ネットショッピングで購入した商品が配達されると契約成立となり、即座に清算する仕組みも作れます。
以上のことから経理業務などを自動化できるので、手間やコストの削減が期待できます。
価値が安定している
DCJPYは円と連動し円建てであるため、国内で使いやすいメリットがあります。
暗号資産(ビットコインなど)は、投機目的や裏付けとなる資産が無く価格変動が起こりやすいのが特徴です。
DCJPYの場合は銀行口座の預金を裏付けとしているので、価格が安定しており実用性が高いと言えるでしょう。
経済圏を超えて利用できる
DCJPYは、各経済圏を超えて利用できるデジタル通貨です。
これまで企業は電子マネーなどさまざまな施策を導入し、自社の経済圏拡大を進めました。
結果として電子マネーは発行体に関連するサービスでの利用に限定されることが多く、他のサービスでは使えないような状況です。
DCJPYの場合は、共通領域を通じて相互運用性の確保が可能です。
なので、各企業が構築した経済圏を超えてDCJPYを利用でき、ユーザーの利便性が向上します。
また、企業にとっても自社の経済圏を超えたサービス展開も可能となるでしょう。
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