【インタビュー】UGC to earnでメタバース経済圏を作る|元素騎士ONLINE Maxi Kuan
今回は、元素騎士Online – META WORLD – の運営会社MetapのCEO、Maxi Kuan様にお話をうかがいます。直近では、ファイナルファンタジーのキャラクターデザイナーとしても有名な天野喜孝氏ともコラボして話題になりましたね。
MMORPGとして純粋にゲームを楽しむことに加えて、ゲーム内のアイテムをNFTとしてユーザー同士で売買できるといったWeb3的な要素を盛り込んでいるところに、新たな楽しみ方がありそうです。開発の現場や天野氏とのコラボの裏側についてもお聞きしました。
元素騎士ONLINEのユーザー
──元素騎士ONLINEは、日本だけでなく海外のプレイヤーも多いのでしょうか?
そうですね、全ユーザーの半分くらいが日本で、もう半分は日本以外の方々で構成されています。どんどん世界中にプレイヤーを広めたいなと思っています。
私が今いる台湾でも、やっと中国語版のリリースが近々できるようになりました。
Maxi Kuan(關 劭驊)
台湾新竹市生まれ、大学卒業後渡日して東京で10年の滞在歴を持つ。
日本/韓国/台湾/中国でデジタルマーケティング事業経営経験を持ち、台湾と日本のスタートアップ企業のアドバイザーを複数兼任している。2017年頃にブロックチェーン技術に魅力を感じ産業への参入を決め、台湾ブロックチェーンメディアBlockcast社の日本シニアアドバイザーに就任し、多くのWeb3プロジェクトのビジネスモデルサポート及び分析をしてきた。2018年にゲームとブロックチェーン技術の可能性を感じ、3年ほどの企画準備期間を経て2021年末に「元素騎士オンライン -Meta World-」ブロックチェーンゲームをベースとしたメタバースプロジェクトをローンチして数々の業界記録を塗り替えし現在に至る。
・C CHANNEL 元中華圏ディレクター
・台湾IAPS 陽明交通大學產業加速器(スタートアップ企業アクセラレータ)のブロックチェーンメンター
──元素騎士ONLINEのユーザーは、今何名ぐらいいらっしゃるんですか?
今はまだベータテスト中ではあるのですけれども、コミュニティが合計30万人ほどいます。今プレイされている方も少なくとも1日の訪問者で4,000人以上いますので、正式リリースの11月時点では、数万人程度でスタートすることになるかなと思います。
エレメンタルナイツONLINEと元素騎士ONLINE META WORLDの世界観の違い
──今回「元素騎士ONLINE META WORLD」というタイトルですが、改めてどのようなゲームなのかご紹介いただけますか?
多くの方はもうご存じかと思いますが、もともと日本のオンラインMMORPG「エレメンタルナイツONLINE」というタイトルから始まっています。2008年にリリースして、今年で14年目になる老舗のゲームですね。
それをベースにして作っているのが、ブロックチェーン・Web3バージョンの「元素騎士ONLINE META WORLD」です。
元素は「エレメンタル」、騎士は「ナイツ」なので、エレメンタルナイツのブロックチェーンバージョンということで、このプロジェクトを2021年12月より進めています。
皆さんがプレイされていたRPG内の「武器・道具・アイテム」そして「通貨」が、「NFT」と「トークン」、すなわちアセット・資産としてゲーム外でも使えるようになる、そういう新しい世代のゲームを展開しています。
また、ゲームだけに留まらず、メタバースプロジェクトとしてのリブランディングも進めています。
──ゲームとして完結するだけではなく、ゲームからマーケットプレイスなどのエコシステムと繋がっていくっていうのは、とても面白いですね。現時点の初期段階ではDAppsではないとのことですが?
DAppsにするには多くの制約があり、また膨大な時間もかかります。
2021年頃から、世の中にGameFiのタイトルでDAppsがたくさん出てきていますが、ゲームの内容がほとんどないのですよね。
Webページにボタンをいくつか並べて、それはゲームと呼べるのか?カードゲームはカードゲームでDApps、ブロックチェーンにオンチェーンで全部やっても良いと思います。
元素騎士ONLINE META WORLDの場合は3D MMORPGなので、非常に多くのプログラミングと計算を必要とします。バトル中のキャラクターのダメージ計算や、道具など、膨大なトランザクションが発生するので、今の仕様だとDAppsのゲームとしては成り立たちません。
そのため、まずはゲームを中央集権的なサーバーで展開し、オンチェーンのところはいずれかのタイミングで繋げる「ハイブリッドWeb3」という形で進めています。
新しいロードマップも近々発表しますし、2023年以降はDAppsへの進化、そして最終的には全部オンチェーンでトランザクションが起こるようにしたいと思っています。
ただし、まずは今のベータ版も含めてちゃんと動くようになってから一つずつ変えていくことが必須です。もちろんゲームだけでなくメタバースの中でも、それこそメタバースのほうが先になるかもしれないですけれども、既にゲームの中に商店街・ショッピングモールや美術館がありますが、まずはそこからオンチェーン対応できるかなと思います。
たとえば、ユーザーさんがNPC(Non Player Character、ユーザーが操作しないキャラクター)と対話して、その主人公・自分のメタバースのウォレットの資産を、どこかでコントラクトを作ったり、資産移動したり、NFTを購入したり売ったりなど、そういったところからまずスタートできるかなという感じですね。
──通常のゲームと同じ感覚で参加できて、一部にWeb3的な要素が含まれているということだと思いますので、これまでのゲームに馴染んでいた方にとっては取り組みやすそうですね。
その通りです。元素騎士ONLINE META WORLDはFree to Playで始められます。たとえば、Axie infinityだとNFTを3つ買わないと入れないじゃないですか。元素騎士ONLINE META WORLDの場合は、ソーシャルメディアのIDで普通にログインできて無課金からでもスタート、しかもゲームを始める時点ではMetaMaskを繋げる必要もないので、よりカジュアルにスタートできると思います。
元素騎士ONLINE META WORLDの運営体制
──運営体制についてもお伺いできればと思うんですけれども、今、元素騎士ONLINE META WORLDの運営メンバーは、どういった役割の人が何名ぐらいいらっしゃるのでしょうか?
僕は台湾で作ったメタップという運営会社の代表でして、台湾では顧問・アドバイザーを含めて10人ぐらいいます。その10人の中には、各国のCo-Founderのようなポジションの方がいて、そういった方が日本とドバイとヨーロッパにそれぞれ分散されている状態です。
開発は、台湾のWeb3のトップクラスのエンジニアさんと、もともとエレメンタルナイツの開発会社の方、あとドバイにも、コンテンツ制作とゲーム開発のチームがいるので、全体で120人以上のスタッフが元素騎士ONLINEのプロジェクトにいます。
このように、それこそ非中央集権的な、物理的に分散してプロジェクトを進めている状況です。ただ、メインでプロジェクトをマネジメントしているのは、さっき申し上げた台湾と一部日本とドバイの、それぞれのボードメンバー約10人です。これらで重要事項を決めて、それらを開発部門、営業部門、マーケティング部門、Web3のエンジニア部門に落としていく、という体制です。
また、アドバイザー部門があり、特にトークノミクスの設計と改修などを、それを随時レビューしています。たとえば先日、RONDトークンをburnしたとか、そういったことの決定とかを、経営陣の中で決めて、あとは執行側に落としていくという体制で今やっております。
──多くの国で展開していて、全員でもう100名以上でいらっしゃるということなのですね。ちなみに、エレメンタルナイツの運営チームが主なメンバーなのですか?それとも、また今回META WORLD用に、新しくいろんな方が参加されてらっしゃるのでしょうか?
エレメントナイツの元チーム以外の方が多いですね。比率でいうと半分ぐらいかな。やはり今回はゲームだけではないので、オンチェーンの部分やWeb3の部分、そしてトークノミクスの部分、この辺りは今までのWeb1・Web2とは全く違う世界です。これらを分けつつ、元エレナイのチームと密にやらせていただいています。
元素騎士Online META WORLDのトークノミクス設計
──今お話しいただいた、トークンエコノミクスのところについても教えてください。UGC to Earnなどいくつかキーワードが発表されていますが、元素騎士Online META WORLDが目指されているメタバース経済、もしくはトークノミクスは、どのようなものなのですか?
UGCは改めて説明するとUser Generated Contentsと言って、ユーザーさんが自らクリエイトしたコンテンツです。
それを元素騎士の中では、自分でオリジナルのNFTを作って、それをゲームの中に、もしくはLAND(土地)や今後発売されるメタバースの土地でオリジナルのものを作っていくことができるようになります。
それが武器だったりアイテムだったり、あるいはモンスターだったり、家を建てたり、あるいは自分のLANDを所有処理している場合は、「なんとかLAND」と名付けて、それ関係のグッズとかオブジェとか、あるいは何かしらデザイン性が良いものなどを作っていく。これらを経済圏の中に入れるんですね。
ゲームでかっこいい武器・強い武器を作れた場合は、自分で使ってゲームの中のトークンを稼いでもいいですし、あるいは商売として、良い武器を作ってそれを他のユーザーさんに販売するなど、ゲームの中でも武器屋として販売もできます。
また、元素騎士公式のマーケットプレイスやサードパーティのOpenSeaで販売することもできるでしょう。NFTなので扱いは自由ですので、それで経済圏を回していきます。
元素騎士Onlineの中でも外でも経済が回るような形にするのが、UGC to Earnの元の意味です。
元素騎士ONLINE META WORLDのMVとRONDの違い
元素騎士Onlineはダブルトークンを採用しています。ガバナンストークンのMVと、インゲーム(ゲーム内)トークンのROND、それぞれのファンクションは違うのですけれども、たとえばMVでLANDを買って、LANDでUGCで作ってRONDを稼いで、RONDを消費して稼いで一つの循環として回していく。
スケールはとても大きいのですが、皆さんがプレイしていただくゲームの中に、UGCという機能・仕掛けが組み込まれているということです。
──ちなみに、ホームページ上に「MVを買う」っていうものと、あとは「RONDを買う」っていう2つのページがあると思いますけれども、ユーザーとしてはどちらを購入することがMaxiさん的にはお勧めですか?
それぞれの目的と使い道が違うので、お勧めというよりはユーザーさんが求めることに依ります。
MVはガバナンストークンなので、上級トークンと言って、それこそMVがないとRONDの購入資格がありません。また、武器の強化とか、何かの割引券とか特殊なこと、それをできるようにするのがMVです。コミュニティとして、今後は非中央集権化を進めていきますが、その際DAO投票に使うのも全てMVです。
たとえば、元素騎士Onlineの次のチャプターがどういう世界で、そもそも作るかどうか、それを経営陣や開発と会話するためのトークンです。
一方で、「ゲーム中でスムーズに武器を買いたい」とか、「すごい武器をすぐ手に入れたい」という場合は、RONDを買ってインポートします。第1章のボスが強いからすごい武器を買って、ポーションも買ってクリアする、とった形でRONDを使って、ゲームをスムーズに進行できるようになります。ゲーム内では武器も装備も壊れるので、それの修理にRONDも使えます。
このようにゲームの中でRONDが流通して、それを制御するのがMVなので、それぞれの使い道によって、ユーザーさんが求めるトークンを考えていただきたいなと思います。
──まずは無料でプレイしてみて、そこで「やっぱりこういうことをやってみたいな」「アイテムを買いたいな」って思ったときにRONDと買ったり、あるいは「もう少しゲームに関与したい」っていうことあればMVを買ったりと、そこはユーザーさんの興味・関心に応じて自由にプレイできるのですね。
そうです、皆さんのプレイスタイル次第ですね。
元素騎士Onlineのコミュニティでも、無課金勢は、もうとにかくひたすら人に頼んでPartyに入れてもらって、ゲームオーバーになったら復活してまたプレイするなど、そういった方もたくさんいますので、みんなそれぞれですね。
元素騎士ONLINE META WORLDのマーケットプレイス
──マーケットプレイスについてもお話をお伺いできればと思います。マーケットプレイスでは、装備やスペシャルアイテム、LAND、卵、ガチャボックスというカテゴリがあります。これらがどういったものか、ご紹介いただけますか?
これはOpenSeaといったサードパーティのものと違って、元素騎士公式運営のマーケットプレイスになりますが、当然ながらOpenSeaと同じような機能を提供しています。
ゲームの中のNFTやおしゃれな装備などをユーザーさんの同士で売買できます。あるいは、公式から出しているガチャと宝箱の2つがあります。これらは、それぞれノーマルとレアのアイテムを販売しています。いずれも、公式のマーケットプレイスでしか得られないものです。
「卵」はキャラクターデザイナーとして著名な天野喜孝先生とのコラボNFT販売の専用カテゴリです。先週、販売時にサーバーアクセスが集中し過ぎて、一時期サービス提供ができなくなったということがありましたが、そういったオークション形式ではなく、ホワイトリストの資格をお持ちの方のアドレスのみが入れるページがあり、そこで卵を購入いただきます。
その卵に、天野先生がデザインした20種類のキャラクターのジェネレーティブの組み合わせの職業と装備が、それぞれランダムで入っています。最初は卵のままですが、一定期間が経つと卵が割れてそれぞれのキャラクターが出現するといった仕掛けです。
卵の販売のステージは3段階で、①まずはホワイトリストの方がプレセールで買う、②その後、ガバナンストークンのMVのステイカーに購入枠がオープンになり、③最後に、誰でも買えるようなパブリックセールという流れです。
また、マーケットプレイス全体では、ユーザーとユーザーとのいわゆるC to Cのトレーディングページと、公式の販売ページ、そしてMy Inventoryにて自分のNFTの販売もできます。今ではガバナンストークンのMVと、あるいはUSDTなどのステーブルコインと両方の選択肢があり、マーケットプレイスで取引ができるようになっています。
天野喜孝氏とのコラボレーションの背景
──どういった流れで天野喜孝さんとのコラボの話が決まったのでしょうか?
僕もFF(ファイナルファンタジー)の大ファンですし、天野先生の作品が別のプロジェクトでコラボしていたのを見て、元素騎士もガチのRPGですし、絶対コラボしたいなと思っていました。
知人経由で天野先生と繋がることができて、今年のはじめに、当時はまだトークンリスティングの前ですけれども、ようやく発表できるようになりました。
特に天野先生はメタバースに非常に興味がある方でして、先生のコメントの中にも「今回は元素騎士にキャラクターのみ提供したのですけれども、いずれは自分の街とかもデザインしてみたいよね」っていう非常にありがたい言葉をいただきました。
僕としては、もちろんキャラクターだけに終わらず、今後も先生に何かしらのお願いはしたいなと思っているので、長期的なリレーションシップ・パートナーシップはキープしていきたいなと思いました。まずは今回、天野先生のNFTを無事に完売し、今後の展開を考えたいと思います。
──なるほど。ブランディングとしてもすごく価値がありそうですし、あるいはNFTとしもまた価値が今後高まっていくのではないでしょうか。
そうですね。実は思ったよりアクセスが集中し過ぎたので、「こんなに天野先生は人気あるのか」と驚きました。
日本以外でも中国語圏や台湾とか欧州でもホワイトリストを持っていらっしゃる方がいらっしゃいます。イギリスのユーザーさんもみんな朝5時からパソコンの前に座って、もうリロードボタンを押しまくって。それがアクセスが集中し過ぎた原因の一つにもなったのですが、先生の人気は本当にすごいなと改めて思いました。
──また再度のリリースの発表を待ちしております。
はい。早く出したいです。
元素騎士の採用活動
──今は採用活動を進めていらっしゃいますか?
そうですね。シンプルに言うと随時募集中ですね。
プロジェクトはどんどんスケールアップしていきますので、幅広く募集していますが、特にWeb3エンジニアが一番欲しいと思っています。
ビジネスサイドで、グローバルでマーケティング・営業ができる方も絶賛募集中です。英語・日本語・中国語の三つ全部ができればベストですけど、どれか二つでもOKです。
広報部の方も、コミュニティでどんどん発信していける方は絶賛大募集ですね。もちろん時間があれば、僕もコミュニティにできるだけ顔を出しているんですけれども、なかなか時間の捻出が難しくなってきたので、僕の代わりにコミュニティの管理などをやってくださる方がいれば有り難いですね。日本人の方も非常に欲しいと思っていますので、我こそは、という方はご応募いただけますと幸いです!
ご興味のある方は、以下の元素騎士ONLINE様のコンタクトページよりご応募ください。
Mediverse読者へのメッセージ
──最後に今回我々のメディアであるMediverseの、このインタビュー記事をお読みいただいている方、元素騎士で遊んでいる方などのユーザーさんへのメッセージをお願いします。
繰り返しになりますが、元素騎士はゲームをベースにしたメタバースプロジェクトとして、今世界中に広げております。
もちろんゲームが今の本体なので、本当に誰でもソーシャルメディアのIDを持っていれば普通のゲームとしても十分楽しめます。先代のエレメンタルナイツよりグラフィックもグレードアップして、RPGとしても普通に楽しめる上に、いわゆるブロックチェーンとトークン、仮想通貨といったWeb3の体験もできるようになっています。
トークンを稼いでスワップして、それを取引所でUSDTに替えたり、あるいはBitcoinに替えたり…そういったことができるようになります。
あと、もちろんNFTを手に入れて他のユーザーの皆さんと取引したり、OpenSeaで販売したり、ゲームの中を強化してさらに価値を付けていくことができます。また、UGC機能で自分のオリジナルのものも作れるようになるなど、さまざまな楽しみどころを提供していきます。
最後に、自分の街も出てくるので、LANDや話の中であった商店街・ショッピングモールと美術館が作れたり、そして現在はアパレルとかのブランドとも協議しています。ゲームやメタバースの中で購入した服とか靴とか、それはNFTとしても持てるようになるのですが、それが実際に皆さんのご自宅にも同じようなものが届いて、リアルライフでも自分でそういったグッズが使えるようになります。
こういった世界を作っています。まずゲームからスタートしていますが、非常に多くの可能性を探っていきますので、ぜひ一度この世界に入ってみて、僕たちと一緒に体験していきましょう。
──とても夢がありますね。今後の展開を楽しみにしております。本日は、ありがとうございました。
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