ステーブルコインUSDHの将来性は?特徴・購入リスクをわかりやすく解説
仮想通貨USDHとは?

| トークン名 | USDH |
| ティッカーコード | USDH |
| 流通量 | 約238,000,000枚*(CoinMarketCap(自己申告データ)) |
| 時価総額 | $2.38M |
| 通貨の種類 | 法定通貨担保型ステーブルコイン(現金+米国債) |
| 発行元 | Native Markets |
| ローンチ時期 | 2025年9月24日 |
| 規格 | HIP-1 / ERC-20 |
| 取引所 | ハイパーリキッド(Hyperliquid) |
仮想通貨USDHは、分散型取引所Hyperliquidで利用される法定通貨担保型ステーブルコインです。
発行元はNative Marketsで、米ドルと「1対1」で価値が連動するよう設計されています。USDHの主な目的は、外部の発行体に依存せず、Hyperliquidエコシステムの経済的自立です。
また、USDHの準備資産(米ドルや米国短期国債)から得られる利息収益は、50%がHYPEトークンの買い戻しやバーンに充てられ、残り50%が「アシスタンス基金」へ拠出される仕組みです。
買い戻しはHYPEの価値安定やエコシステム内の資金循環を促す目的で行われ、アシスタンス基金は開発支援・流動性提供・報酬配布など、Hyperliquid全体の成長を支えるための共同資金プールとして活用されます。
つまり、USDHの利息は保有者に直接分配されるのではなく、エコシステムを通じて間接的に価値を還元するモデルになっています。USDHは単なる送金手段にとどまらず、Hyperliquid経済圏の自立と持続的な発展を支える基盤通貨として機能しています。
仮想通貨USDHの特徴
仮想通貨USDHには、以下のような特徴があります。
- 米ドルに連動するステーブルコイン
- Hyperliquidエコシステムの中心的な役割を担う
- 収益をユーザーやネットワークに還元するモデル
- 発行体はガバナンス投票で決定された
USDHの将来性を知る前に、どのような特徴を持っている通貨なのか知っておきましょう。
米ドルに連動するステーブルコイン
USDHは、米ドルと1対1の比率で価値が連動するように設計されたステーブルコインです。
現金および米国短期国債を準備資産として保有しており、米ドルと同等の価値を裏付けています。仮想通貨市場のように価格変動が激しい場面でも、価値を安定して保てる仕組みです。
ボラティリティを避けたい投資家にとって、価格が安定して使いやすい通貨といえるでしょう。
Hyperliquidエコシステムの中心的な役割を担う

USDHは、Hyperliquidエコシステム全体を支える役割を果たしています。
これまでは、担保や決済にUSDCといった外部ステーブルコインが使われていました。しかし、USDHの導入によって、取引や証拠金、決済がすべてエコシステム内で完結するようになりました。
この仕組みによって、次のようなメリットがあります。
- 外部チェーンへの送金コスト削減
- 発行体や規制リスク軽減
- 取引速度と資金効率の向上
USDHは外部依存を減らし、Hyperliquidの自立したエコシステムの実現を目指しています。
収益をユーザーやネットワークに還元するモデル
USDHの特徴は、発行によって得られる利息をユーザーやエコシステムに還元することです。
USDTやUSDCなどのステーブルコインは、発行体が保有する準備金から得た利息を企業の収益源としています。しかしUSDHは、準備金で生まれた利息を「Hyperliquidのコミュニティ全体で分け合う」設計です。
- 利息収益の50%がHYPEトークンの買い戻しや報酬分配
- 残りの50%はエコシステムの成長の支援
この仕組みによりUSDHを保有する投資家もネットワークの発展とともに恩恵を受けられます。
発行体はガバナンス投票で決定された

USDHの発行体であるNative Marketsは、Hyperliquidのバリデーターとコミュニティによる投票で選ばれました。
これはコミュニティ全体で発行体を選定する分散型ガバナンス構造を採用しています。発行体の候補にはPaxos、Frax、Sky、Ethenaなどの有力プロジェクトが挙がりました。
最終的に透明性・技術力・オンチェーン実績などが評価され、Native Marketsが選ばれています。
USDHは「企業が発行体を名乗る」のではなく、ネットワークが自らの手で発行体を決定する体制です。これにより、運用の透明性が保たれ、特定企業の意向に左右されにくいメリットがあります。
仮想通貨USDHの将来性
仮想通貨USDHの将来性を示す事項は以下の通りです。
- Hyperliquidエコシステムの成長
- ステーブルコイン需要の高まり
- 外部ステーブルコインの依存からの自立
- 他チェーンや取引所への普及可能性
将来性を理解しておくと、自分の投資目的と合っているか判断できます。
Hyperliquidエコシステムの成長
Hyperliquidは、分散型取引所(DEX)として高い流動性と独自のガバナンス構造を持つプラットフォームです。
この取引所で利用される主要通貨がUSDHであるため、ユーザー数や取引量が増えるほど、需要と利用価値も高まります。事実、2025年9月24日にUSDHがHyperliquid上で正式に稼働してから24時間で、1,500万ドル(約22億円)以上がミントされています。
この動きは、エコシステム全体でUSDHが注目されている証拠です。
今後、BTCやETHなどの新しい取引ペアが追加されるたびに、USDHは決済通貨として活用される機会が増えます。
USDHは単なるステーブルコインではなく、Hyperliquid経済圏の成長とともに進化していく「ネイティブ通貨」といえます。
ステーブルコイン需要の高まり

仮想通貨市場では、法定通貨と連動して安定した価値を保つステーブルコインが注目を集めています。特にDeFi(分散型金融)や国際送金などの分野では、ボラティリティの少ない資産として需要が増加中です。
また、アメリカや日本など各国でステーブルコインの発行や法整備が進んでいます。
- アメリカ:2025年7月に「GENIUS法」が成立
- 日本:2025年秋ごろから円建てのステーブルコイン「JPYC」が発行
- EU :欧州の9大銀行が連携してユーロ建てステーブルコインを開発へ
市場全体でステーブルコインへの信頼と需要が拡大していけば、USDHの存在感も強まっていくでしょう。
外部ステーブルコインの依存からの自立
Hyperliquidでは、これまでUSDCが主要通貨として使われてきました。
しかしUSDCの発行体は米Circle社であり、外部発行体に依存している限り、価格乖離や資金凍結などのリスクが存在していました。そこで、USDHの採用によって、Hyperliquidでの取引や決済が完結し、安定した資金循環ができます。
以前、2023年にUSDCが一時的に銀行リスクの影響で1ドルを下回った際、多くの取引所が混乱しました。Hyperliquidは、USDHを基軸通貨とすると外部リスクを抑え、エコシステムの安定性をコントロールできる体制です。
この仕組みが定着すれば、Hyperliquidはより強固な経済基盤を築き、USDHの信頼性や利用価値も高まります。
他チェーンや取引所への普及
USDHは、将来的に他のブロックチェーンや取引所へ拡大する可能性があります。
Hyperliquid内で取引量と信頼性が高まれば、他のDeFiや取引所でも安定した交換手段として期待できるからです。USDHも将来的に分散型取引所(DEX)やレンディングサービスなどでの活用が期待されます。
今後、他チェーンや取引所への連携が進めば、仮想通貨市場で存在感を高めるでしょう。
仮想通貨USDHの価格推移とチャート

画像参照:CoinMarketCap
上のグラフは、USDH(青)とUSDC(赤)の価格推移を比較したものです。期間は2025年9月24日から2025年10月8日までを示しています。
価格差は小さく、USDHがUSDCとほぼ同等の安定性を保ちながら推移している点が特徴です。
この動きから、USDHは短期的な価格安定性を維持しつつ、流動性が徐々に高まっていることがわかるでしょう。
仮想通貨USDHを購入するリスクと注意点
仮想通貨USDHを購入するリスクと注意点は次の通りです。
- 価格乖離のリスク
- 規制のリスク
- 発行体のリスク
- 流動性によるリスク
ステーブルコインは価格が安定しているといわれますが、リスクがゼロではありません。
USDHを購入したい方は、上記の注意点を知っておきましょう。
価格乖離のリスク

ステーブルコインは理論上1ドルに固定されていますが、実際の価格は需要と供給のバランスで決まります。
市場が不安定になったり、投資家が一時的にUSDHを大量に売却したりした場合は「1対1」を維持できない場合もあるでしょう。
2022年にはステーブルコインのUSTが大きく乖離した事例があり、一時的に0.98以下になることもありました。USDHはドル連動を目指して設計されていますが、常に厳密な1ドルが保証されているわけではありません。
投資時は短期的な価格変動を想定する必要があり、過度に集中投資しないようにしましょう。
規制のリスク
世界各国では、ステーブルコインの発行体や準備金の管理方法を明確にする動きが進んでいます。
今後の法改正や金融当局の規制強化によって影響を受ける可能性があるからです。2023年には、米当局の指導によりBUSD(バイナンスUSD)は新規発行を停止しました。
規制の変更はプロジェクトの存続や利用制限につながることもあります。USDHは将来性が高い一方で、法改正や規制動向が市場を左右する可能性があることを理解しておきましょう。
発行体のリスク
USDHの発行権を持つNative Marketsは、Hyperliquidのガバナンス投票で選ばれた新しいチームです。
Tether社やCircle社のような大手発行体と比べると、運営実績が十分ではありません。そのため、経営不振や運用体制の不備が発生すれば、USDHの信頼性に直接影響する恐れがあります。
USDHに投資する際は、発行体の規模や運営実績がまだ発展途上であることを理解したうえで判断しましょう。
流動性によるリスク
USDHは発行からまだ日が浅く、市場規模が小さいため流動性リスクがあります。
USDTやUSDCのような大手ステーブルコインと比べて、取引量やユーザー数はこれから増えていく段階です。大口取引や急な売買が発生すると、価格が変動しやすく、希望するタイミングで取引が成立しない場合もあります。
現在Hyperliquidでは、まだUSDCが主流です。
USDHが広く使われるまでには時間がかかるでしょう。もし一時的な価格乖離が起きれば、ユーザーがUSDCに戻る可能性もあります。
投資を検討する際は、取引量や流動性の変化を見ながら慎重に取り扱いましょう。
仮想通貨USDHの購入方法

2025年10月30日時点で、USDHは国内の仮想通貨取引所では未上場であり、日本円で直接購入できません。まずはUSDCを経由して購入する必要があります。
USDHを入手したい場合は、以下の手順に沿って進めましょう。
※現状仮想通貨を保有していないと仮定して解説します。
・SBIVCトレードでUSDCを購入する
・仮想通貨ウォレット「メタマスク」を作成する
・Hyperliquidのアカウントを作成
・HyperliquidにUSDCを入金する
・HyperliquidでUSDHを購入する
そしてHyperLiquidでUSDHはUSDCしかペアがありません。つまり、USDCと交換する必要があり、事前にUSDCを入手しておく必要があります。

※コインにより、購入できるペアが決められており「特定の銘柄同士でないと交換できない」システムになっています。この画像は「USDHはUSDCとしか交換できない」という意味です。
またその下の「USDHL」は全く別のコインなので、間違えないようにしてください。
それを踏まえてステップに分けて手順を説明します。
ステップ①:国内取引所でUSDCを購入する
まず、国内の仮想通貨取引所でUSDCを購入します。
現時点でUSDCを取り扱う国内取引所は「SBI VCトレード」だけです。日本円から直接USDCを購入できるため、USDH取引の準備をスムーズに進められます。
まだ「SBI VCトレード」の口座を開設していない方は、こちらの記事で手順をまとめていますので参考にしてください。

各種手数料が無料のほか、仮想通貨の資産運用サービスも豊富に揃っています。
本記事ではSBI VCトレードのお得なキャンペーン情報を紹介します。
ほかにも、SBI VCトレード口座開設の手順や審査落ちしてしまったときの対策を解説しました。
ステップ②:ウォレットを作成してUSDCを保管
自分のウォレットを作成し、購入したUSDCを送金します。
Hyperliquidではウォレット接続が必要なため、事前に準備しておきましょう。まだウォレットを持っていない方は、メタマスク(MetaMask)が無難です。
無料で作成でき、Hyperliquidにも対応しています。先ほどの画像もメタマスクウォレットで接続した際の画像です。
メタマスクの始め方から使い方までは、こちらの記事でまとめていますので参考にしてください。
ステップ③:Hyperliquidにメタマスクで接続
公式サイトでHyperliquidにウォレットを接続します。例として、メタマスクの画面で説明します。
手順は以下の通りです。
①画面右上の「接続(Connect)」をクリック

②ログイン方法の選択肢が表示されるので「MetaMask」を選ぶ

③MetaMaskで署名が求められるため「確認」をクリック
④画面の右上に自分のウォレットアドレスが表示されれば完了
ステップ④:HyperliquidにUSDCを入金する
ウォレットとHyperliquidを接続し、保有しているUSDCを入金します。
この時、ネットワーク手数料(ガス代)を考慮して少し余裕を持たせると安心です。
ステップ⑤:USDHを購入する

入金が完了したら、Hyperliquid上の取引画面でUSDCをUSDHに交換します。
仮想通貨USDHに関するよくある質問
仮想通貨USDHに関するよくある質問は以下の通りです。
- USDHを日本円で直接購入できますか?
- USDHに発行上限はありますか?
- USDHは他のステーブルコインと比べて違いはありますか?
- USDHが1ドルを下回る可能性はありますか?
よくある質問を理解しておけば、USDHの仕組みや注意点を整理できます。
USDHを日本円で直接購入できますか?
2025年10月時点では、USDHを日本円で直接購入はできません。
USDHは主に分散型取引所(DEX)Hyperliquid上で流通しており、対応している通貨ペアはUSDCです。そのため、国内取引所でUSDCを購入し、HyperliquidでUSDHに交換する必要があります。
今後、日本円対応の取引所が増えれば、購入方法がより簡単になる可能性があるでしょう。
USDHに発行上限はありますか?
Hyperliquidでは、USDHの流動性と価格安定を守るために、初回段階では発行量を制限し、段階的に市場へ供給する仕組みです。
安定性確保のため、ローンチ当初は1回あたりのトランザクションに上限を設けたテスト段階から開始されています。
新しいステーブルコインが急速に拡大した際に起こりうる価格乖離や流動性の問題を防ぐための安全策です。
ただし、将来的には市場が成熟し、十分な流動性と信頼が確保された段階で、上限が緩和または撤廃される可能性があります。
USDHと他のステーブルコインの違いは何ですか
USDHには他のステーブルコインとは異なる特徴があります。
下の表は、主要なステーブルコインとの比較です。
| 項目 | USDH | USDT | USDC |
| 発行体 | Native Markets | Tether社 | Circle社 |
| 運営形態 | 分散型(DeFi連動) | 中央集権型 | 中央集権型 |
| 仕組み | 法定通貨担保型 | 法定通貨担保型 | 法定通貨担保型 |
| 収益分配 | 50%エコシステムに還元、50%は成長に再投資 | 発行者が準備金から配分を決定 | 発行者が準備金から配分を決定 |
USDHは、他のステーブルコインと異なり、発行益の一部をユーザーやネットワークに還元する設計を採用しています。
そのため、単なる決済手段だけでなく、プラットフォーム全体の成長を促す役割も担っているでしょう。
まとめ
USDHは、分散型取引所Hyperliquidで利用される米ドル連動型のステーブルコインです。価格の安定性だけでなく、収益分配や分散型ガバナンスといった独自の仕組みが注目されています。
Hyperliquidの成長とともにUSDHの需要拡大や、他のチェーンや取引所への展開も期待できるでしょう。
また、解説した通り、USDHを購入するためにはUSDCと交換する必要があります。もっと簡単にUSDCを入手する方法はSBIVCトレードで、日本円で購入する方法です。手数料が無料だったり、上場企業のグループ会社が運営していたり、おすすめポイントが多い取引所です。
そのため、USDHを購入したい方はSBIVCトレードで口座を無料開設を行ってください。
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