2025-10-04 メインネット稼働!AIのオンチェーン化「0G Labs」AMAレポート

2025-10-04 メインネット稼働!AIのオンチェーン化「0G Labs」AMAレポート

2025-10-04 メインネット稼働!AIのオンチェーン化「0G Labs」AMAレポート

執筆:summerchon

9月22日に待望のメインネットを稼働させた最大級のAIレイヤー1「0G Labs」のAMAを、CryptoTimes公式コミュニティboarding bridge(bb)にて開催しました。

今回のAMAでは、0G Labsが実現するAIのオンチェーン化や、他チェーンに対する技術的な優位性、$0Gトークンのユーティリティ、そしてメインネット稼働後のロードマップについて伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

AMA概要

日時:2025年9月24日(水)23:00 JST

場所:bb Discord AMA-Voice X(twitter)

Giveaway:50USDC × 4名

スピーカー

Ada | CMO

taka | boarding bridge

AKI | boarding bridge

(敬称略)

質問トピック

自己紹介

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Ada | X

Adaと申します。モデル業を経てEコマース業界へ転身後、2014年にシリコンバレーへ渡りました。そこでMichael(現夫)と出会い、エンジェル投資家として彼の前社の成長を支援しました。MITでMBAを取得後、AI特化のインキュベーターを設立。2024年より0G LabsにCMOとして参画し、マーケティングやエコシステム成長を統括しています。本日はよろしくお願いします。

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taka | X

絶賛ホームレスのTakaと申します。本日は韓国で開催中のイベント(KBW)から参加しています。0G Labsは個人的にも長く追いかけているプロジェクトで非常に注目しています。皆さんに分かりやすくお伝えできるよう準備してまいりましたので、本日はよろしくお願いします。

0G Labsとはどんなプロジェクトですか?

「0G」は、AIを使った様々なアプリケーションがブロックチェーンの上で直接動く(オンチェーン※1)世界、いわば分散型AIのOS(基本ソフト)を目指すプロジェクトです。

イメージしやすく言うと、AIと共に暮らす新しい都市を建設した場合に、0Gはその都市の土地や電気、橋などの活動に不可欠なインフラの全てを提供する役割を担います。

具体的には、AIのための巨大な倉庫(分散ストレージ)や高速道路(データ可用性※2)、AIモデルやAIエージェントを売買できる市場(マーケットプレイス)などを開発者が自由に組み合わせられる部品(モジュール)として提供します。

この基盤(レイヤー1※3)の上で、開発者は個人商店のような小さなAIアプリから始め、やがてはマクドナルドのような世界的なブランドにまで成長させることが可能です。イーサリアムと同じ開発環境(EVM互換※4)にも対応しており、あらゆる規模の開発者が参加しやすい環境を整えています。

オンチェーン
全ての取引やデータをブロックチェーン上に記録・実行すること。透明性と検証可能性が高い
データ可用性(DA)
ブロックチェーンの取引データが、ネットワークの検証者にとって常に利用可能である状態を保証する仕組み
レイヤー1
BitcoinやEthereumなど、ブロックチェーンネットワークの基盤となる最も基本的なレイヤー
EVM互換
Ethereum Virtual Machineの略。Ethereumのスマートコントラクトを実行する環境と互換性があることを指し、開発者が既存のツールやコードを再利用しやすくなる

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0G Labs | 公式ブログ

0Gは他チェーンと比べてどんな強み・メリットがありますか?

0Gの強みは、技術・パートナー・資金という3つの強力な柱に支えられています。

  1. 独自開発されたAI特化の統合技術
    最近のトレンドであるモジュラー(モジュラーアーキテクチャ※1)とは一線を画し、0GはAIに必要なインフラ(ストレージ、データ可用性、計算能力)の全てを自社で垂直統合開発しています。これにより、異なる部品を組み合わせる際の複雑さや互換性の問題を解消し、開発者にとって非常にシームレスで使いやすい環境を実現しており、負荷の高いAIの判断(AI推論※2)なども効率的に実行できます。この技術は大学の研究機関やマイクロソフトといった企業との共同研究にも裏付けられています。
  2. サービス開始時からの強力なパートナー網
    メインネットのローンチ初日から、100社を超える著名なプロジェクトや企業がパートナーとして参加しています。これは、0Gの技術に対する業界からの高い信頼と需要を示しています。
  3. 圧倒的な資金力
    合計で3億2500万ドル(約480億円 ※1ドル150円換算)という最大級の資金調達を完了しています。この圧倒的な資金力が先述した大規模な自社開発を可能にしており、長期的なプロジェクトの安定性とエコシステムの成長を保証しています。
モジュラーアーキテクチャ
ブロックチェーンの機能を「実行」「決済」「合意形成」「データ可用性」などの層(モジュール)に分割し、それぞれを専門のプロトコルが担う設計思想。専門化することで、各機能のパフォーマンスを最大化できる
AI推論(Inference)
学習済みのAIモデルを使用して、新しいデータに対して予測、分類、判断などの処理を行うこと

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0G Labs | X

0Gはどのような使い道やユースケースを想定していますか?

0Gの基本的なインフラは、AmazonのAWSのように、開発者がデータ保管(ストレージ)などの機能を自由に選んで利用できます。しかし、その上で構築できる0G独自のユースケースとして、特に以下の2つが挙げられます。

  1. AI同士が会話し、価値を交換する世界
    0Gの独自技術により、AIエージェント同士が直接コミュニケーションをとることが可能になります。
    例えば、AIたちがクラスメイトのように互いの知識を共有し合って賢くなる、ユーザーが「ピザを注文して」とAIに頼むと、AIがお店のAIに自動で発注と支払うといったことを人間を介さずに実現します。
  2. 育てるAIを所有・売買できるiNFT(※1)
    iNFTは、0Gが独自に開発した新しいNFT規格(ERC-7857)です。従来のNFTは、一度記録された情報が変わらない静的なものでしたが、iNFTはAIエージェントの活動や学習結果を記録し、価値が成長していく動的なNFTです。例えるなら、レベル1から育てたポケモンがレベル100になり、その強さや経験を全て保持したまま他人に譲渡できるようなイメージです。これにより、成長したAIエージェントそのものを資産として安全に所有・売買できるようになります。
iNFT(Intelligent NFT)
0Gが開発したNFTの新規格(ERC-7857)。AIエージェントの学習履歴や能力といった動的なデータを記録・更新できるのが特徴で、成長するAIの所有権を表現するために設計されている

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0G Labs | 公式ブログ

$0Gトークンのユーティリティやインセンティブ設計について教えてください。

$0Gトークンは0Gエコシステムの基軸通貨として、イーサリアムにおけるETHのように様々な役割を担います。主な役割は以下の通りです。

  • 取引手数料(ガス代)
    0Gチェーン上でのあらゆる活動(取引やアプリの利用など)に必要となる手数料の支払いに使われます。
  • ステーキング
    トークンをステーキング(預け入れ)することで、ネットワークの安全性を高める番人(バリデータ※1)を支援し、その報酬を得ることができます。
  • ガバナンス
    プロジェクトの将来に関する重要な意思決定(例えば、技術のアップグレードなど)に対して、トークンを使って投票する権利を得られます。
  • 各種サービスの支払い
    分散ストレージの利用料や、AIモデルのトレーニング費用など、エコシステム内の様々なサービスの支払いに使用されます。
  • コミュニティ特典
    将来的には、トークンの保有量に応じて、限定イベントへの参加権など、特別なコミュニティ特典を受けられる仕組み(コミュニティ・ティア)も検討されています。
バリデータ(Validator)
ブロックチェーンネットワークにおいて、新しい取引が正当であるかを検証し、ブロックとして承認・記録する役割を担うノード(コンピューター)

 

 

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0G Labs | 公式ブログ

今後のロードマップについて教えてください。

9月22日にメインネットをスタートさせましたが、まだ全ての機能が公開されたわけではありません。今後の計画は、以下のようなタイムラインで進めていきます。

  • 直近のフォーカス(〜数週間)
    まずは、稼働したばかりのメインネットを安定させることが最優先です。その後、まだリリースされていない中核機能のストレージとデータ可用性(DA)の公開を予定しています。
  • 来年(2026年)の計画:Web2企業をWeb3の世界へ
    来年は、既存のWeb2企業(例えば、AWSやGoogle Cloudを利用している一般的なIT企業)が、0Gの分散型AIインフラを簡単に利用できるWeb2ラッパーというツールの開発に注力します。これにより、Web3に詳しくない企業でも、私たちの技術の恩恵を受けられるようにします。
  • 未来のビジョン(2027年〜):AIロボティクスと宇宙開発
    2027年には、AIロボティクスの分野に本格的に取り組みます。家庭用のロボットなどがどのようなデータで学習し、どういう思考で行動するのかブロックチェーン上で透明化し、AIが人類の利益に沿って動く未来を目指します。さらに2028年には、AI技術を宇宙ステーションでの発見などに活用することも視野に入れています。

このように、まずは足元のインフラを固め、次にWeb2とWeb3の橋渡しとなり、最終的にはAIと人類の未来に貢献するという長期的なビジョンを描いています。

0Gはどうやって収益を得ていますか?

0Gの収益と運営資金は、大きく分けて以下の3つの柱で構成されています。

  1. クラウドサービスとしての利用料
    AIのための巨大な倉庫(ストレージ)や、データを高速にやり取りする道路(データ可用性)を提供し、そのデータ利用量に応じた利用料が収益となります。また、0Gの基盤上でAIモデルを学習させる際のトレーニング手数料も含まれます。
  2. ブロックチェーンとしての利用料
    ネットワーク上での取引(トランザクション)ごとに発生する手数料(ガス代)も、基本的な収益源の1つです。
  3. 健全な財務運営による資金確保
    私たちは、調達した資金を様々な金融商品で運用しています。そこから得られる利息だけで、すでにプロジェクトの運営コスト全体をカバーできる状態です。これにより、市場が冷え込んでいる冬の時代でも、焦らず長期的な視点で開発を続けることができます。

この潤沢な資金を元に、初期のプロジェクトに対しては手数料を0G側が一部負担するなど、エコシステム全体を育てるための支援も積極的に行っています。

今後数ヶ月、数年で何が期待できますか?

私たちの活動は、短期・中期・長期の3つの視点で加速していきます。

  1. 専門チームの強化と開発者コミュニティの拡大(短期)
    最近、アバランチ財団の元CEOを事業成長の責任者として迎え入れました。今後も政府や機関との対話を専門とするような、業界トップクラスの人材が続々とチームに加わる予定です。
    並行して、インドのような開発者が多い地域でのイベントにも積極的に参加し、DeFiやゲームだけでなく、分散型科学(DeSci ※1)など、新しい分野でのユースケースを創出する開発者を支援していきます。
  2. 大企業や政府とのパートナーシップ(中長期)
    Web3の世界に留まらず、大手企業や、将来的には政府との提携も視野に入れています。こうした大きな組織との対話には時間がかかりますが、プロジェクトの信頼性と実績を積み重ねることで、1年〜1年半後には具体的な提携のニュースをお届けできると考えています。
  3. エコシステムへの価値還元
    こうしたビジネス面での成功は、プロジェクトの収益性を高めます。そして、その収益は最終的に$0Gトークンの保有者や、ネットワークを支えるノード運用者といったコミュニティの皆様に還元される仕組みを目指しています。つまり、大きなパートナーシップの実現が、エコシステム全体の価値向上に直接繋がっていきます。
分散型科学(DeSci – Decentralized Science)
ブロックチェーン技術を活用して科学研究の資金調達、データ共有、成果の評価などをよりオープンで透明性が高い形で行おうとすること

まとめ

今回のAMAでは、9月22日にメインネットを稼働させた最大級のAIレイヤー1「0G Labs」が描く壮大なビジョンと、それを支える技術的優位性、AIの未来を形作る具体的なロードマップについて詳しく語られました。

0G Labsは、AIアプリケーションを完全にオンチェーンで稼働させる分散型AIのOSを目指すプロジェクトです。AIを新しい都市に例え、その活動に不可欠な土地(ストレージ)や電気(計算能力)、道路(データ可用性)といったインフラ全てを垂直統合で提供する点が最大の特徴です。

中でも特筆すべきは、3億2500万ドルという圧倒的な資金力を背景にした垂直統合開発による技術的優位性とAI同士の対話や成長するAIを資産化する独自規格iNFTなどの既存のブロックチェーンの枠を越える革新的なユースケースです。

今後は、まずメインネットの安定化と中核機能のリリースを進め、2026年には既存のWeb2企業が参入しやすくなるツールを開発。さらに2027年以降はAIロボティクスや宇宙開発といったより壮大なビジョンに挑む計画が示されました。

0G Labsは、透明性が高く、誰もが信頼できるAIを社会に実装したいという時代のニーズに応える最も野心的かつ具体的なソリューションの1つとして、Web3とAIの融合を牽引していく存在となるでしょう。

関連リンク

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