2025-10-02 政府閉鎖で米経済の「データブラックアウト」が発生。BTCへの影響は?
米国政府機関の閉鎖により主要な経済指標の公表が停止する「データのブラックアウト」が発生しています。この状況は近年のビットコイン(BTC)価格を動かす主因となっている現物ETFへの資金フローに不確実性をもたらし、市場のボラティリティを高める可能性があります。
政府機関閉鎖中は労働統計局などが非農業部門雇用者数(NFP)や消費者物価指数(CPI)といった重要データを発表しません。金融市場、特にETFの資産配分担当者はこれらのデータを基に米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を予測し投資判断を下します。データがなければFRBの政策の方向性が不透明になりこれがETFを通じた資金流入をためらわせる要因となります。
このデータ不足は市場に相反する影響を与える可能性があります。当初はドル安と早期利下げ期待からビットコインのような資産に資金が向かいましたが、不確実性が長引けば投資家が様子見姿勢を強めリスク回避の動きからドルが買われる展開も考えられます。
今後の展開として二つのシナリオが考えられます。強気のシナリオではデータ不足がFRBのハト派姿勢を維持させるとの観測からドル安が続き、ETFへの資金流入が継続します。歴史的に暗号資産市場が好調な第4四半期であることもこの見方を後押しします。
一方、弱気のシナリオではデータ不在が投資家の確信を揺るがし「カタリストの枯渇」状態に陥ります。新規資金の流入が滞り流動性が低下することで、ビットコインのような資産には不利な状況となる可能性があります。
結論として、データのブラックアウトは自動的にビットコインへ資金を向かわせるわけではなく、市場のメカニズムを変化させ価格の変動幅を増幅させる要因となります。