2025-09-30 悪材料出尽くし?ビットコイン、10月反撃のシナリオ
2025年9月、暗号資産市場は過剰なレバレッジ取引が引き金となり時価総額が3000億ドル減少する大規模な調整を経験しました。この暴落は市場の構造的な脆弱性を露呈させましたが、規制面での前向きな進展や追加の金融緩和への期待から第4四半期の回復に向けた楽観的な見方も根強く残っています。
9月18日から28日にかけて暗号資産市場の時価総額は4.2兆ドルから3.9兆ドルへと急減。この背景には73億ドルに上る大規模な強制清算があります。流動性の低い週末にビットコイン(BTC)の価格が下落したことをきっかけにレバレッジをかけたポジションが次々と自動的に清算され、売りが売りを呼ぶ悪循環に陥りました。
この結果、ビットコインは11万8000ドルから10万9000ドルまで下落し、イーサリアム(ETH)も4000ドルの重要な支持線を割り込みました。
市場の混乱はマクロ経済の不透明感によって増幅されました。米国連邦準備制度理事会(FRB)は9月17日に利下げを実施したものの、その後の声明が市場に混乱を与えました。
さらに米国の雇用統計悪化やインフレへの根強い懸念がスタグフレーションへの不安を煽り、投資家のリスク回避姿勢を強めました。欧州中央銀行(ECB)が金融緩和に慎重な姿勢を示したことや米国政府機関閉鎖の懸念も市場の重荷となりました。
市場が大きく調整する一方で規制環境には前向きな動きが見られました。米国の証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)は暗号資産現物取引に関する共同声明を発表したほか、SECは暗号資産ETFの承認プロセスを効率化する新たな上場基準を公表しました。
欧州でも大手銀行がMiCA規制に準拠したユーロ・ステーブルコインの発行計画を発表しており、長期的な機関投資家の参入に向けた環境整備が進んでいます。
こうした規制面の進展に加え市場では10月の追加利下げへの期待が依然として高い状況です。また、SECの新たなETF基準により多くのアルトコインETFが承認される可能性があり、これが市場への新たな資金流入を促すとの期待も高まっています。
9月の厳しい調整を乗り越え第4四半期は新たな上昇局面を迎える機会となるかもしれません。
情報ソース:coinglass