仮想通貨ATOM(コスモス)とは?特徴や将来性、買い方をわかりやすく解説
- 三行要約
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■仮想通貨ATOM(コスモス)が「ブロックチェーンのインターネット」と呼ばれる理由
■ATOM(コスモス)の将来性が期待される具体的なプロジェクトや技術
■初心者でも安心してATOM(コスモス)を購入できる具体的なステップ
専門用語は都度わかりやすく解説するので、文末までご覧ください。この記事を読み終わる頃には、ATOM(コスモス)の魅力と可能性を深く理解できているはずです。
仮想通貨ATOM(コスモス)の基本情報

まずは、仮想通貨ATOM(コスモス)がどのようなものなのか、基本的な情報から見ていきましょう。「コスモス」という名前の壮大な響きに、どのような技術が隠されているのでしょうか。
ATOMの概要
仮想通貨ATOMは、Cosmosネットワーク上で利用されるネイティブトークンです。ネイティブトークンとは、特定のブロックチェーンの基盤となる、そのネットワーク固有の通貨のことを指します。
ATOMには主に3つの役割があります。
- 取引手数料(ガス代): Cosmosネットワーク上で取引を行う際の手数料として支払われます。
- ステーキング: ネットワークの安全性を保つための「ステーキング」という仕組みに参加するために使われます。ステーキングに参加すると、報酬として新たにATOMを受け取ることができます。
- ガバナンス: Cosmosネットワークの今後のアップデートや運営方針などを決めるための投票に参加する権利(投票権)として機能します。
つまり、ATOMは単なる価値の保存手段や決済手段としてだけでなく、Cosmosという巨大なエコシステムを維持し、発展させていくために不可欠な役割を担っているのです。
Cosmosネットワークとは
Cosmosネットワークは、ATOMを理解する上で最も重要なコンセプトです。ひと言で表すなら、「ブロックチェーンのインターネット」を目指すプロジェクトです。
これまでの仮想通貨、例えばビットコインやイーサリアムは、それぞれが独立した「国」のようなものでした。ビットコインのブロックチェーンとイーサリアムのブロックチェーンは、互いに直接通信したり、通貨を自由に交換したりすることが非常に困難でした。

これを「相互運用性(インターオペラビリティ)がない」状態と言います。
Cosmosは、この問題を解決するために生まれました。異なるブロックチェーン同士が、まるでインターネットで世界中のウェブサイトが繋がるように、スムーズに通信し、データをやり取りできる世界を目指しています。
この壮大なビジョンから、「Cosmos(宇宙)」と名付けられました。
仮想通貨ATOM(コスモス)の将来性
仮想通貨への投資を考える上で、最も気になるのがその「将来性」でしょう。ATOM(コスモス)がなぜ多くの投資家や開発者から注目を集めているのか、その理由を3つのポイントから解説します。
多くのプロジェクトで採用されている
Cosmosの最大の特徴は、独自のブロックチェーンを比較的簡単に開発できるツールキット「Cosmos SDK」を提供している点です。これにより、世界中の開発者がCosmosの技術を使って、新しいブロックチェーンやアプリケーション(DApps)を次々と生み出しています。
2024年末時点で、すでに119以上のプロジェクトがCosmosエコシステム(経済圏)に参加しており、その数は日々増え続けています。
特筆すべきは、大手分散型取引所(DEX)である「dYdX」が、元々利用していたイーサリアムのブロックチェーンからCosmosベースの独自チェーンへと移行したことです。これは、Cosmosの技術的な優位性や将来性が、業界のトッププレイヤーからも高く評価されている証と言えるでしょう。
このように多くのプロジェクトがCosmosの技術を採用することで、エコシステム全体が活性化し、その中心的な役割を担うATOMの価値も高まっていくと期待されています。
Interchain Securityによるエコシステムの拡大
Cosmosは、「Interchain Security(インターチェーン・セキュリティ)」という画期的な仕組みを導入しました。
通常、新しいブロックチェーンを立ち上げる際には、ネットワークの安全性を確保するために多くの「バリデーター」と呼ばれる承認者を集める必要があり、これが大きなハードルとなっていました。
しかし、Interchain Securityを利用することで、新しく生まれたチェーンは、すでに高いセキュリティを誇るCosmos Hub(Cosmosネットワークの中心的なブロックチェーン)のバリデーターを「レンタル」することができます。

これにより、新しいプロジェクトはセキュリティの心配をすることなく、開発に専念できるのです。
この仕組みは、新しいプロジェクトがCosmosエコシステムに参加するハードルを劇的に下げ、エコシステム全体の拡大を加速させる強力なエンジンとなっています。安全で信頼性の高いプロジェクトが増えれば増えるほど、Cosmosネットワーク全体の価値も向上していくでしょう。
大手企業との提携
Cosmosの技術は、仮想通貨業界だけでなく、伝統的な大手企業からも注目されています。
例えば、大手IT企業のOKXも、Cosmosと提携して独自のブロックチェーンを開発するなど、その活用事例は広がりを見せています。
今後、さらに多くの企業がブロックチェーン技術の導入を進める中で、開発のしやすさや相互運用性に優れたCosmosが選ばれる可能性は高く、こうした提携はATOMの信頼性と将来性を裏付ける重要な要素となります。
仮想通貨ATOM(コスモス)の3つの特徴

なぜCosmosは「ブロックチェーンのインターネット」を実現できるのでしょうか。その秘密は、Cosmosが持つ3つのユニークな特徴にあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
異なるブロックチェーン同士をつなぐ「Internet of Blockchains」
Cosmosの中核をなすのが、「IBC(Inter-Blockchain Communication Protocol)」と呼ばれる通信規格です。これは、異なるブロックチェーン同士が安全かつ確実に情報をやり取りするための「共通言語」のようなものです。

IBCがあるおかげで、例えばビットコインのブロックチェーン上にあるBTCを、Cosmosエコシステム上の分散型金融(DeFi)サービスで利用するといったことが可能になります。これまでは、中央集権的な取引所を介さなければ不可能だったことが、より安全でスムーズに行えるようになるのです。
この「ブロックチェーンのインターネット」というコンセプトこそが、Cosmosを他の多くのプロジェクトと一線を画す最大の特徴と言えるでしょう。
スケーラビリティ問題を解決する独自のコンセンサスアルゴリズム
多くのブロックチェーンが直面する大きな課題に「スケーラビリティ問題」があります。これは、利用者が増えることで取引の処理速度が遅くなったり、手数料が高騰したりする問題のことです。
Cosmosは、この問題を解決するために「Tendermint Core」という独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーン上で行われた取引が正しいものであると、皆で合意するためのルールのことです。

Tendermint Coreは、非常に高速で安全性が高いという特徴を持ち、1秒間に数千件もの取引を処理することが可能です。これにより、Cosmosネットワークは多くのユーザーが利用しても快適な速度を保つことができ、将来的な需要の増加にも対応できる設計となっています。
ステーキングで報酬がもらえる
ATOMの大きな魅力の一つが「ステーキング」です。
ステーキングとは、保有しているATOMをネットワークに預け入れる(ロックする)ことで、ブロックチェーンの維持・運営に貢献し、その対価として報酬を受け取れる仕組みです。銀行預金の利息をイメージすると分かりやすいかもしれません。
ユーザーは、自分のATOMを信頼できるバリデーター(取引の検証・承認を行うノード)に「デリゲート(委任)」することで、ステーキングに参加できます。これにより、専門的な知識や機材がなくても、間接的にネットワークのセキュリティ強化に貢献し、報酬を得ることができるのです。
ステーキングの年利は、ネットワークの状況によって変動しますが、他の金融商品と比較しても魅力的な水準になることが多く、ATOMを長期的に保有するインセンティブとなっています。
ATOMは特にステーキング利率が高い銘柄です。現状最も利率が高い取引所を紹介します。
仮想通貨ATOM(コスモス)の価格動向
ここでは、ATOMがこれまでどのような価格で推移してきたのか、そして今後どのような要因が価格に影響を与えるのかを解説します。
これまでの価格推移

ATOMは2017年に公開されて以降、仮想通貨市場全体のトレンドに連動しながらも、独自の開発進捗やエコシステムの拡大を背景に価格を変動させてきました。
特に、2021年の仮想通貨市場全体の強気相場では、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)のブームとともにCosmosエコシステムへの注目度が高まり、ATOMの価格は史上最高値を更新しました。
その後、市場全体の調整局面では価格が下落しましたが、dYdXのCosmos移行のニュースやInterchain Securityの導入など、ポジティブな材料が発表されるたびに価格が反応する傾向にあります。これは、多くの投資家がCosmosの将来性に期待していることの表れと言えるでしょう。
今後の価格を左右する要因
今後のATOMの価格は、以下のような要因に影響されると考えられます。
- Cosmosエコシステムの成長: Cosmos SDKを利用した新しいプロジェクトの数や、IBCを通じて接続されるブロックチェーンの数が増えることは、ネットワーク全体の価値を高め、ATOM価格の追い風となります。
- 仮想通貨市場全体の動向: ビットコインやイーサリアムといった主要な仮想通貨の価格動向は、アルトコインであるATOMの価格にも大きな影響を与えます。市場全体が活況であればATOMも上昇しやすく、逆に停滞すれば下落しやすくなる傾向があります。
- 規制の動向: 世界各国の政府や金融当局による仮想通貨への規制は、市場全体のセンチメント(投資家心理)に影響を与えます。ポジティブな規制は価格上昇に、ネガティブな規制は価格下落につながる可能性があります。
- 技術的なアップデート: Cosmosネットワークの大型アップデートや、Interchain Securityのような新機能の導入は、技術的な優位性を高め、投資家の期待を集める要因となります。
これらの要因を総合的に見ながら、ATOMの価格動向を注視していくことが重要です。
仮想通貨ATOM(コスモス)の購入方法
「ATOMに興味が出てきたけど、どうやって買えばいいの?」という方のために、ここからは具体的な購入手順を3つのステップで解説します。初心者の方でも迷わないように、国内の仮想通貨取引所を利用した方法をご紹介します。
国内取引所の口座開設
まず最初に、仮想通貨取引所の口座を開設する必要があります。日本国内でATOMを取り扱っている取引所はいくつかありますが、初心者の方には、操作が分かりやすく、セキュリティもしっかりしている大手の取引所がおすすめです。
代表的な取引所としては、SBIVCトレードやbitbankなどがあります。
口座開設の手順は、どの取引所でも概ね以下の通りです。
- 公式サイトにアクセスし、メールアドレスを登録
- パスワード設定などの基本情報を入力
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)をアップロード
- 取引所による審査
審査が完了すると、口座開設完了の通知が届き、取引を開始できるようになります。スマートフォンアプリを使えば、本人確認もスムーズに行えることが多いです。
日本円の入金
口座が開設できたら、次にATOMを購入するための日本円を入金します。入金方法は、主に「銀行振込」や「インターネットバンキングからのクイック入金」などがあります。
取引所のウェブサイトやアプリにログインし、入金用の銀行口座情報を確認して、そこにご自身の銀行口座から日本円を振り込みます。クイック入金を利用すると、手数料が無料で24時間リアルタイムに反映されることが多く便利です。
ATOMの購入
日本円の入金が完了したら、いよいよATOMを購入します。仮想通貨の購入方法には主に「販売所」と「取引所」の2種類があります。
- 販売所: 取引所を相手に、提示された価格で仮想通貨を売買する方法です。操作が非常にシンプルで、初心者の方でも簡単に購入できるのがメリットです。ただし、「スプレッド」と呼ばれる売値と買値の差が実質的な手数料となり、取引所に比べて少し割高になる傾向があります。
- 取引所: ユーザー同士で仮想通貨を売買する方法です。価格を指定して注文する「指値注文」などが可能で、販売所に比べて手数料を安く抑えられるのがメリットです。ただし、操作が少し複雑なため、慣れるまでは難しく感じるかもしれません。
初めて仮想通貨を購入する場合は、まずは簡単な「販売所」で少額から試してみるのがおすすめです。購入したい数量または金額を入力し、注文を確定すれば、あなたの資産にATOMが追加されます。
私も基本的には「取引所」でほしいコインを探し、「指値注文」ではなく「成行注文」で取引を行っています。その方が簡単だからですね笑
仮想通貨ATOM(コスモス)に関するよくある質問
最後に、ATOM(コスモス)に関して初心者の方が抱きやすい質問とその回答をまとめました。
ATOMのステーキングはどこでできますか?
ATOMのステーキングは、主に以下の方法で行うことができます。
- 国内取引所のステーキングサービス: GMOコインなど一部の国内取引所では、取引所でATOMを保有しているだけで自動的にステーキングに参加し、報酬を受け取れるサービスを提供しています。特別な手続きが不要なため、初心者の方に最も簡単な方法です。
- 海外取引所: Binanceなどの大手海外取引所でも、ステーキングサービスが提供されています。国内取引所よりも高い利率が設定されている場合がありますが、海外取引所の利用には一定のリスクも伴います。
- 専用ウォレット: Keplr WalletやCosmostationといったCosmosエコシステム専用のウォレットを利用して、自分でバリデーターを選んでステーキングする方法もあります。より能動的にステーキングに参加したい中〜上級者向けの方法です。
まずは国内取引所のサービスから始めてみるのが良いでしょう。
ATOMのステーキングについてまとめた記事もあるので、併せてご覧ください。

特にATOMは高い利率が期待できることから、多くの注目を集めています。過去には国内取引所で年率21.3%という高い実績もあり、その魅力は計り知れません。
しかし、「本当にそんなに増えるの?」「何か気をつけることはないの?」といった疑問や不安をお持ちの方も多いはずです。
この記事では、ATOMのステーキングについて、仕組みの基本から具体的な始め方、そして知っておくべきデメリットまで、初心者の方にも理解できるよう一つひとつ丁寧に解説していきます。
この記事を最後まで読めば、ATOMステーキングの全体像をつかみ、安心して資産運用を始めるための知識が身につきます。
ATOMの将来性は低いという意見もありますか?
どのような仮想通貨にも、将来性に対して肯定的な意見と懐疑的な意見の両方が存在します。ATOM(コスモス)に対する懐疑的な意見としては、以下のようなものが挙げられます。
- 競合プロジェクトの存在: ブロックチェーンの相互運用性を目指すプロジェクトはCosmosだけではありません。Polkadot(DOT)やAvalanche(AVAX)なども強力なライバルであり、これらのプロジェクトとの競争が激化する可能性があります。
- ATOMトークンの価値: Cosmosエコシステムが拡大しても、それが直接ATOMトークンの価格上昇に結びつかないのではないか、という意見もあります。これは、Cosmos SDKで作られたチェーンが、必ずしもATOMを手数料として使う必要がないためです。ただし、Interchain Securityの導入など、ATOMの価値を高めるための取り組みも継続的に行われています。
これらのリスクを理解した上で、Cosmosが持つ技術的な優位性やエコシステムの成長性をどう評価するかが、投資判断の鍵となります。
ATOMの発行上限はありますか?
ATOMには、ビットコインのように明確な発行上限は設定されていません。その代わりに、ステーキングの参加率に応じて、新規発行量が自動的に調整される仕組みが採用されています。
ネットワーク上のステーキング量が多い(多くの人がATOMを預け入れている)場合は、ネットワークのセキュリティが高いと判断され、新規発行量が減ります。逆にステーキング量が少ない場合は、報酬の魅力を高めて参加者を増やすために、新規発行量が増加します。
この仕組みにより、ネットワークのセキュリティを維持しつつ、インフレ率を適切にコントロールすることを目指しています。
まとめ
今回は、仮想通貨ATOM(コスモス)について、その基本的な仕組みから将来性、購入方法までを網羅的に解説しました。
Cosmosは、単なる一つの仮想通貨ではなく、「ブロックチェーンのインターネット」という壮大なビジョンを実現するための巨大なプロジェクトです。異なるブロックチェーン同士を繋ぐIBC技術、開発を容易にするCosmos SDKなど、そのエコシステムは着実に拡大しています。
ステーキングによってインカムゲインを得られる点も、長期的な投資対象としての魅力の一つです。もちろん、競合の存在や市場全体の動向といったリスクもありますが、この記事を通じてATOM(コスモス)が持つ独自の価値と可能性を感じていただけたのではないでしょうか。
仮想通貨の世界は変化が速いですが、その中心で進化を続けるCosmosの動向に、これからも注目していく価値は十分にあると言えるでしょう。
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