RLUSD(リップルユーエスディー)の特徴・将来性・買い方を解説
RLUSD(リップルユーエスディー)とは
名称 | Ripple USD(リップルユーエスディー) |
ティッカーシンボル | RLUSD |
時価総額ランキング | 3201位 |
価格 | 1ドル |
ローンチ | 2024年12月17日 |
発行上限 | – |
取り扱いのある取引所 | Uphold、MoonPay、Bitsoなど |
公式 | ・Webサイト ・ホワイトペーパー ・X |
Ripple USD(RLUSD)は、リップル社が2024年12月に発行を開始した、米ドルに価値を連動させたステーブルコインです。「1RLUSD = 1米ドル」の価値を持つように設計されています。
RLUSDは2つのブロックチェーン上で発行されました。
- XRP Ledger(XRPL):リップル社が提供する高速・低コストな分散型台帳技術。
- Ethereum:DeFi(分散型金融)やスマートコントラクトで広く利用されるプラットフォーム。
またRLUSDはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の承認を受け発行・運用されています。発行されるRLUSDは米ドルや米国短期国債などで100%裏付けられているため、資産の安全性も確保された作りになっています。
RLUSDは国際送金やDeFi運用、法定通貨の代替としての活用が期待されています。
RLUSDの特徴
RLUSDには5つの特徴があります。
- Riiple社が発行するステーブルコイン
- 米ドルに価格が連動する
- XRPレジャーとEthereumブロックチェーン上で発行
- ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の承認を受けている
- 資産に100%裏付けされている
①Riiple社が発行するステーブルコイン
RLUSDはリップル社によって発行されたステーブルコインです。
リップル社はブロックチェーン技術を活かして国際送金の効率化を目指している企業です。リップル社は元々XRPという暗号資産を発行しており、すでに国際送金の問題解決に取り組んでいます。
RLUSDが新たに扱えるようになったことで、リップル社が提供する国際送金で選択できる暗号資産が増えることになります。RLUSDは国際送金での新たな選択肢としての役割を期待されています。
②米ドルに価格が連動する
RLUSDは1米ドルにペッグ(固定)されるように設計されたステーブルコインです。そのため、基本的には「1RLUSD = 1米ドル」となるように価格は動きます。
リリース直後や米ドルに大きな価格変動が生じたときには1ドル前後の価格になることもありますが、基本的には1ドルの価格で安定しています。
リップル社が元々発行していたXRPは価格変動が大きめでした。価格変動が大きいのは暗号資産全般に当てはまる特徴のためXRPに限った話ではありませんが、国際送金の前後で価格が大きく変わってしまうのは安定して使用しにくいのも事実です。
RLUSDは米ドルと連動するため、国際送金でも使用しやすいと言えるでしょう。
※もちろん米ドルに安定性があるという大前提にはなります
③XRPレジャーとEthereumブロックチェーン上で発行
RLUSDは2つのブロックチェーンで発行されています(2024年12月24日時点)。
- XRP Ledger(XRPL):リップル社の分散型台帳。RPCAという仕組みを採用して取引データを処理することにより、超高速・低コストで取引を完了するように設計されている。
- Ethereum:ERC-20トークンとして発行されています。DeFi(分散型金融)やスマートコントラクトのエコシステムと連携可能。
RLUSDは2つのブロックチェーンに対応しているため用途によって使い分けられます。
例えば、銀行はXRP Ledger上のRLUSDを利用して国際送金を行う。個人はEhereum上のRLUSDを使用して分散型取引所で暗号資産の売買を行うといったことが可能です。
元々あったXRPはXRP Ledgerのみしか対応していなかったため、XRPでの取引を受け入れてくれるところとの国際送金か中央集権取引所で売買するくらいしか用途がありませんでした。
しかしRLUSDは複数のブロックチェーンに対応したことで、個人が分散型取引所を利用したり、運用をしたりといった使い方ができるようになっています。
④ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の承認を受けている
RLUSDはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の承認を得ています。ニューヨーク州内で企業やユーザーにステーブルコインでの金融サービスを提供するにはNYDFSの承認が必要です。
リップル社の本社所在地はカリフォルニア州サンフランシスコなので、厳密に言えばNYDFSの承認を必ずしも得る必要はありません。それでも尚、リップル社がNYDFSの承認を得たのは次の理由があるからと推察されます。
- ニューヨーク州は金融の中心地:ウォール街を筆頭に、ニューヨーク州は世界の金融の中心地といえる場所です。国際的な金融機関もあるため、今後国際送金サービスの提携をするうえで外せない場所と言えます。
- NYDFSの規制と審査は米国でも特に厳格:NYDFSの審査は厳格です。ステーブルコインに関しては「100%の裏付け資産が必要」「定期的な監査を受けること」「消費者保護の体制が整っていること」などの審査が行われます。規制は厳しいですが、これら審査に合格することは一定の信頼性を獲得できるとも言えます。
RLUSDがNYDFSの承認を得て発行・運用されていることは、一定の信頼性が担保されていると言えます。
ルール準拠や規制への対応が必要な金融機関にとっては安心材料になるでしょう。
⑤資産に100%裏付けされている
RLUSDは米ドル預金や米国短期国債によって100%裏付けされています。
リップル社はRLUSDの発行量に応じて同額の米ドルを金融機関に預け入れる、もしくは米国短期国債で保有します。
すべてのRLUSDがほかの資産で裏付けられています。そのため、仮にユーザーが一気に資金交換を申し出てきてもRLUSDを米ドルと交換できるように管理されています。
また独立した公認会計士(CPA)による監査が定期的に行われ、裏付け資産の保有状況は随時公開されます。
RLUSDの使い道・用途
RLUSDは様々なシーンでの利用が想定されています。
項目 | 内容 | 利用シーン |
---|---|---|
国際決済(B2B Cross Border Payments) | 企業間の決済通貨として利用。 | 日本の自動車部品メーカーが、アメリカの取引先にRLUSDで送金。 |
外国為替市場(Foreign Exchange Markets) | 為替取引でRLUSDを使用することで、スプレッドの削減や決済スピードを早くする。 | 小規模FXトレーダーが、ユーロをドルに交換する際にRLUSDを利用。 |
デジタルドルへのグローバルアクセス(Global Access to a Digital Dollar) | 発展途上国や銀行口座を持たない人が、米ドルを利用できるようになる。 | アフリカの農家がRLUSDで収益をデジタルドルとして保管。 |
銀行や資産運用マネージャーのための取引決済資産(Trade Settlement Asset for Banks and Fund Managers) | 銀行や資産運用マネージャーが即時取引を行えたり、運用コストの削減に繋げられたりする。 | 資産運用会社がRLUSDで新興市場国債を即時決済。 |
実世界資産(RWA)のトークン化(Real-World Asset Tokenization) | 不動産、商品、政府債券などの有形資産(RWA)をブロックチェーンでトークン化して、流動性と利用しやすさを向上させる。 | 投資家がRLUSDを使ってトークン化された不動産に少額投資。 |
仮想通貨⇔法定通貨の交換(On- and Off-Ramps) | 法定通貨と仮想通貨の交換をかんたんにする。 | 仮想通貨トレーダーがRLUSDを日本円に換金して出金。 |
RLUSDとXRPの関係
リップル社が発行するRLUSDとXRPは目的や特性が異なります。それぞれが相互補完的に機能します。
RLUSD | XRP | |
種類 | ステーブルコイン | 暗号資産 |
価値 | 1米ドルにペッグ(固定)するように設計 | 市場で変動 |
用途 | 決済、安定した価値保存 | 送金、異なる通貨間の橋渡し、投資 |
稼働ブロックチェーン | ・XRP Ledger ・Ehereum | XRP Ledger |
発行上限 | なし | 1,000億XRP(すでに発行済) |
運営会社 | リップル社 | リップル社 |
相互補完的な役割を果たす
RLUSDとXRPは、それぞれの特徴を活かしてリップル社のエコシステム内で協力しています。
- RLUSDが提供する「安定性」:
- RLUSDは米ドルと価値が連動しているため、価格変動リスクを回避したい場面で役立ちます。
- 米ドルで完結する取引や送金には向いている。
- 例えば、受取側がRLUSDで資産を保持することで、仮想通貨のボラティリティの影響を受けません。また決済が米ドルだけで行われるのであれば、RLUSDは即時決済・低手数料のため便利に使用できます。
- XRPが提供する「流動性」:
- XRPは長年に渡り多くの仮想通貨取引所で取引されてきました。その流動性は高いため、異なる通貨間の橋渡し役として機能します。
- 日本円をドルに交換して送金しようとすると、銀行を介す必要があったり、手元に届くまでのタイムラグがあったりで時間がかかります。しかしXRPを挟めばすぐに交換が完了します。
日本円→XRP(送金者側で変換)
XRP→米ドル(受取者側で変換)
RLUSDは米ドルに連動するステーブルコインなので、価値が安定しており、米ドルで取引が行われるときには役立ちます。しかし、日本円→RLUSD→ペソのような多国間取引では、まだRLUSDが普及しきれていないため取引が行えなくなります。
一方でXRPは多くの国の仮想通貨取引所に上場していることから、それぞれの法定通貨に交換しやすいです。この交換のしやすさ(流動性)があるため、XRPも活かしながら国際送金の取り組みが行えます。
RLUSDの将来性
RLUSD(Ripple USD)の将来性を考えるうえで、次のポイントは確認しておきましょう。
RLUSDはあくまで米ドルにペッグされる
まず大前提として、RLUSDは米ドルにペッグされるステーブルコインです。そのためRLUSDが単体で値上がりすることはありません。
RLUSDはあくまで米ドルに連動した値動きをする暗号資産です。値上がり益を狙う類のものではないことを認識しておきましょう。
ただ暗号資産のステーブルコインには米ドル以上に高い年利で運用できるものもあるため、今後RLUSDを運用するサービスが登場した際には検討してみるといいかもしれません。
ステーブルコイン市場全体の成長
ステーブルコインは、仮想通貨市場全体の中でも急速に拡大している分野です。
- 市場データ:
- ステーブルコイン市場は時価総額数千億ドル規模に達している(2024年時点)。
- 期待される成長分野:
- 国際送金市場: SWIFTなどの従来型送金システムを代替する存在として普及が進む。
- DeFi市場: DeFiプロトコルでの資産運用需要が増える。
RLUSDの競合となるのはUSDTやUSDCなどの米ドルに連動するステーブルコインです。NYDFSの承認を受けているのはRLUSDだけのため、規制への対応という意味ではRLUSDが抜けています。
しかしRLUSDのリップル社は、SEC(米国証券取引委員会)との裁判がまだ継続中。懸念点はあるため、まだ今後の動向がどうなるかはわからない状況が続いています。
対応ブロックチェーンが増える
RLUSDがXRP LedgerとEthereum以外のブロックチェーンに対応する可能性があります。
- マルチチェーン化のメリット:
- 対応ブロックチェーンが増えれば、利用可能なプラットフォームも増えます。DeFiやNFTマーケットプレイス、Web3サービスでの利用が広がる。
- クロスチェーン技術が進化すれば、RLUSDの利用がさらに便利になる。
主要なステーブルコインであるUSDTはEhereumやTRON、BinanceSmartChaiなど複数のチェーンに対応しています。RLUSDも複数のブロックチェーンに対応するようになれば、利用シーンは広がります。
金融機関や企業との提携が成長の鍵
RLUSDは金融機関や大企業との提携を増やせるかが成長の鍵になるでしょう。
リップル社は100以上の国と地域で銀行や決済プロバイダーと提携しています。RLUSDでも同じように提携数を増やしていけばRLUSDの利用価値が高まり、国際送金の場面で利用されるようになるかもしれません。
また2024年の米大統領選では、暗号資産に理解のあるドナルド・トランプ氏が当選しました。リップル社とSECの長らく続いていた裁判騒動が片付く可能性が指摘されています。
裁判沙汰が片付けば、リップル社の国際送金ソリューションを取り入れる機関も増える可能性があります。
RLUSDの買い方・どこで買える?
RLUSD(Ripple USD)は日本国内の取引所には上場していません。
そのためRLUSDを買いたい方は海外取引所を利用する必要があります。RLUSDを取り扱う取引所、ウォレットは次のとおりです。
RLUSDはまだ上場先が少なく、日本居住者が利用できる仮想通貨取引所も少ないです。一応Bitsoは日本居住者でも口座登録とトレードが行えますが、日本語には対応していないので自分で調べながら売買をする必要があります。
リップル社の公式HPには「Bitstamp」「Bullish」「ZeroHash」「flowdesk」などに上場予定ということは記載されています。
ただ正直な話、あまりよく知らない取引所を無理やりRLUSDを買うよりも、BybitやBitgetのような大手有名取引所に上場してから購入を検討するのがいいかもしれません。RLUSDはステーブルコインであるため価格の値動きは軟調で、早期参入が得という類のものでもないので。
もし海外取引所からRLUSDを買う場合は次の流れで行います。
- 国内取引所のアカウントを開設
- 海外取引所のアカウントを開設
- 国内→海外に仮想通貨を送金
- 海外取引所でRLUSDを購入する
国内取引所は送金手数料が無料のSBI VCトレードがおすすめ。まだRLUSDは取り扱っていませんが、海外取引所はBybitやBitgetなどの日本人からも人気の取引所を選ぶとよいでしょう。
RLUSDの注意点
RLUSDの注意点は3つです。
- ドルペッグが外れる可能性がある
- 規制が強まる恐れがある
- 税制度
ドルペッグが外れる可能性がある
RLUSDは1 RLUSD = 1米ドルの価値を維持することを目指していますが、状況次第で一時的にドルペッグが外れる可能性があります。
- 需給バランスの崩れ:
需要が急増したり、供給が不足した場合、市場価格が変動する可能性がある。 - 準備金の問題:
RLUSDの裏付け資産(米ドルや短期国債)に問題が発生した場合、価値の安定性が揺らぐ恐れがある。
ドルペッグが外れても自然に価格は戻っていくはずですが、ステーブルコインの大暴落事件であるLUNAの例も考えると100%安心とは言えません。
リップル社の情報には注意を向けるといいでしょう。
規制が強まる恐れがある
仮想通貨全般への規制が強化される中、RLUSDもその影響を受ける可能性があります。
- 可能なリスク:
- 一部の国や地域でRLUSDの利用が制限される。
- 規制強化により、対応取引所やウォレットが減少する可能性。
- 特にCBDC(中央銀行デジタル通貨)の影響:
各国がCBDCを推進する中、RLUSDのような民間ステーブルコインへの圧力が増す可能性がある。
税制度
RLUSDは日本では通常の仮想通貨と同様に扱われる可能性が高いです。
よってRLUSDの取引については税金計算が必要です。
- 注意点:
- RLUSDを取引して利益が出た場合、課税対象になる。
- 利用時の価格変動や他の通貨への交換による利益も課税対象となる。
RLUSDのまとめ
RLUSD(Ripple USD)は、リップル社が発行する米ドルに価値が連動したステーブルコインです。XRPとともに国際送金での利用が期待されています。
RLUSDは2024年12月に発行されたばかりで、まだ少数の取引所でしか売買ができません。しかし今後はほかの仮想通貨取引所に上場する予定があるようです。
RLUSDはステーブルコインなので米ドルの価格と連動しますが、XRPに関しては値動きは大きいです。「今後XRPが10万円、100万円に到達するのか」を考察した別記事もあるため、よろしければどうぞ。
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