ビットコインの積立はやめとけと言われる理由

ビットコインの積立はやめとけと言われる理由

ビットコインの積立はやめとけと言われる理由

ビットコイン積立の懸念点

ビットコイン積立が「やめとけ」と言われる理由は、そもそもビットコインが投資対象として懸念があるからです。

  1. 将来的に価値が上がる保証がない
  2. ドルコスト平均法の恩恵を受けにくい
  3. ハッキングリスクがある
  4. 仮想通貨の税金が高い

将来的に価値が上がる保証がない

積立投資をするということは、長期的にはビットコインは値上がるという期待があるからでしょう。

どんな投資でも確実に値上がるという保証はありません。ただ、ビットコインは株式投資や債権などの伝統資産に比べて歴史は浅いです。

例えば伝統資産の代表格である全世界株式投資(オール・カントリー)。その元となるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)は1987年から存在しています。

MSCI ACWIは37年の運用歴がある中で、長期的に右肩上がりです。

MSCI ACWI
MSCI ACWI

一方、ビットコインは2008年に誕生。16年しか経過していません(2024年時点)。

チャートは長期的には右肩上がりですが、価格の変動は全世界株式に比べると大きめです。

CoinmarketCap

またビットコインは「世界の経済成長に投資する」「日本の金融セクターの成長に投資する」のような実体経済に投資するわけではありません。あくまでビットコインという仮想通貨の価値が高まることを期待しての投資です。

運用歴の浅さと投資に対する実体のなさ。この2点はビットコインの積立投資を懸念する最も大きな理由だと考えられます。

ドルコスト平均法の恩恵を受けにくい

ドルコスト平均法は一定期間に、一定金額を投資する手法です。積立投資でよく使用されます。

価格が高い時は少量を購入。価格が少ない時は多く購入。ドルコスト平均法はこの動きを通じて、投資商品の平均購入単価を下げる利点があります。

ただビットコインは価格の変動が激しめです。

積立投資日のビットコイン価格が高いと、平均購入単価を下げにくくなります。

ビットコインを安く買える可能性はもちろんありますが、その分高値掴みをしてしまう可能性も上がってしまうことになります。

ドルコスト平均法はなるべく購入単価を平均化させて「長期的にお得に利益を得よう」という手法なので、価格変動が大きいビットコインだとその恩恵を受けにくくなるかもしれません。

ハッキングリスクがある

ビットコインにはハッキングリスクがあります。

ハッキングされるということは要するに、資産を盗まれるということです。過去、国内取引所でもいくつか事例があります。

「長期的に積立投資をして、もし将来盗まれたらどうするんだ」という点は、非常にシビアな問題です。

ただ国内取引所においては基本的に投資家保護が最優先されます。国内3つのハッキング事件でも、ハッキング被害額に対して全て100%補償が行われました。

国内取引所 年度 被害額 補償
コインチェック 2018年 580億円相当のNEM 顧客全員に対して日本円で100%補償を実施
BITPOINT 2019年 約35億円相当の暗号資産 被害を受けた顧客に対して同等の暗号資産で全額補償
DMMビットコイン 2024年 約482億円相当のビットコイン 流出したビットコインの全額補償

ビットコインにハッキングリスクがある点は事実ですが、それで全ての資産が無くなるというわけではありません。

仮想通貨の税金が高い

仮想通貨で得た利益は雑所得として計算されます。

所得に応じて最大55%の課税が発生します。(所得税(5%~45%)+住民税(10%))。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円から1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円
所得税の税率(国税庁)

これだけ税金が高いと、「せっかく積み立てた利益が税金で持っていかれるなら意味ない!」と考える人が出ても仕方ありません。

ビットコインが相当値上がりして、税金で引かれる以上の利益を得られないと意味がないですからね。

仮想通貨の税金については、2024年に新経済連盟から提言が出されています。

  1. 申告分離課税の導入: 暗号資産取引利益に一律20%の税率適用、損失繰越控除も認める
  2. デリバティブ取引対応: 暗号資産デリバティブ取引にも申告分離課税を導入
  3. 課税タイミング変更: 法定通貨への交換時のみ課税し、取引時の納税計算を簡素化
  4. 相続税見直し: 暗号資産相続の評価方法改善、「取得費の特例」適用など
  5. 暗号資産ETF導入: 取り扱いを可能にし投資機会を拡大
  6. レバレッジ規制の柔軟化: 資産種類ごとのレバレッジ倍率設定を可能に

Coinpost

ビットコインの積立を考えるうえで、税制度がネックになっているのは間違いないでしょう。

今後の改善が待たれます。

中長期ならビットコイン積立は有効か?

ビットコイン積立に懸念点があるのは事実です。

ただその一方で「中長期投資ならビットコイン積立はアリ」とする意見もあります。その理由を見ていきましょう。

ビットコインは中長期的には上昇トレンド

ビットコイン長期的には上昇トレンドが続いています。

特に、2018年代から現在までの間、ビットコインは何度かの急騰や調整を経ながらも全体的に価格が上昇。2024年には過去最高値を更新しました。

世界的にも仮想通貨投資はまだ懐疑的な目で見られる中、この上昇率は驚異的です。

今後ビットコインが投資対象としての立ち位置を強めるのならば、さらなる上昇が期待できます。

ビットコインは投資対象として地位を確立

ビットコインは、ここ数年でその地位を確固たるものにしています。

2024年1月には米国でビットコインETF(上場投資信託)が承認されました。さらに続けて2024年7月にはイーサリアムETFも承認を受けています。

BlackRock iShares Bitcoin Trust ETF

ETF承認を受けたということは、米国市場で仮想通貨を元にした投資商品を自由に購入できるということです。つまりビットコインを始めとした仮想通貨が投資対象として一定の支持を得たことを意味します。

ビットコインETFは、機関投資家や個人投資家がビットコインを直接保有せずに投資できる手段を提供しました。

さらに、エルサルバドルでは2021年にビットコインを法定通貨として採用しています。

この決定は、ビットコインが実際の経済活動にどのように貢献できるかを示すものであり、他国でも導入が検討されています。ビットコインが単なる投機的な資産ではなく、実際の通貨としての役割を持ち始めていることが明らかです。

またビットコインは世界的にデジタルゴールドと称され、インフレ対策や資産保全の手段としても注目を集めています。企業や国際機関もビットコインを資産として保有し始めており、グローバルな経済環境においても重要な役割を果たす可能性が高まっています。

ビットコイン積立を検討する際のポイント

積立額と投資タイミング

ビットコイン積立を始める際、積立額と投資タイミングをどう決めるかがポイントです。

国内取引所では最低1円からでもビットコインを積み立てられます。ただ1円を積み立てても、将来的に大きな利益になることは想像しにくいです。

積立をするタイミングは「月次・週次・毎日」の3パターンがあります。

ビットコインの価格変動リスクを抑えるなら毎日投資がおすすめです。ただ毎日投資をすることで、毎日価格を気にしたり、積み立て口座に資金があるか確認するのは少々手間がかかります。

月次や週次でまとめて投資するのは手軽にできますが、価格変動リスクは毎日投資よりは高くなります。

積立金額や投資タイミングは、自分の資産状況ともよく相談しておくとよいでしょう。

ビットコインを毎月投資するか毎日投資するかは、別記事でも詳しく検証しています。

あわせて読みたい

ビットコイン積立投資の頻度は毎日・毎月どっちが有利?
ビットコイン積立投資の頻度は毎日・毎月どっちが有利?
ビットコインの積立投資は大きく2種類に分かれます。

「毎日投資する」か「毎月投資する」かの二つです。

結論から言うと、毎日投資の方がおすすめです。リスク分散効果が高く、リターンの見込みが多くなります。

その一方で、毎月投資も決して悪い選択ではなく、市場によっては毎日投資よりもパフォーマンスが上回る可能性はあります。

本記事では、ビットコイン積立を始めるにあたって毎日投資するのかいいのか、それとも毎月投資がいいのかを徹底的に比較します。

利確タイミング

長期的に積立投資をするなら、いつかは利確するタイミングが来ます。

ビットコインが将来的にどれくらいの利益になったら利確するか、出来ることなら決めておくのがよいでしょう。

ただ問題は、ビットコインの価格がどのくらいになるか様々な予想が出されている点です。

2024年9月時点で6万ドルのビットコイン。ツイッター共同創業者のジャック・ドーシーは「ビットコインの価格は100万ドル達する可能性がある」と言い、米資産運用会社のキャシー・ウッドは「380万ドルの予想」を出しました。

これらの予想を照らし合わせると、少なくとも10倍~60倍に値上がる可能性を示唆しています。AI予測システムの中には「ビットコインは640万ドルになる」という予測も出ています。

これだけ価格に幅があると、なかなか利確するタイミングを決められないかもしれません。

長期投資の中でいまが買い時なのか・売りどきなのか検討する材料としてレインボーチャートという指標があります。

レインボーチャート
BLOCKCHAIN CENTER

こういった指標やアナリストなどの意見を参考にしながら、利確するタイミングを自分なりに持っておくのがよいでしょう。

あわせて読みたい

レインボーチャートはビットコイン投資の強い味方!活用方法を解説
レインボーチャートはビットコイン投資の強い味方!活用方法を解説
レインボーチャートは、ビットコインの市場動向を知るためのツールです。

過去のチャートと照らし合わせてビットコインの価格が適正かどうかを判断するのに役立ちます。

本記事ではレインボーチャートについて解説しました。

リスク管理の重要性

ビットコイン積立に全ての資産を投資するのは、リスク管理の面であまりおすすめできません。

先に説明した理由により、ビットコインが長期的に値上がりしない可能性は十分にあり得ます。

したがって、資産の全てをビットコインに集中させるのではなく、分散投資を行うことをおすすめします。

ビットコインの他にも、株式や債券、不動産など様々な資産に分散投資を行うことで、ポートフォリオ全体のバランスを保つことが大切です。

ビットコイン積立が行える仮想通貨取引所

ビットコイン積立ができる国内取引所は9つあります。

取引所 積立手数料 日本円出金手数料 最低積立金額 銘柄数 積立プラン 銀行引き落とし
GMOコイン 無料 無料 500円〜/月 21通貨 毎日/毎月10日 ❌️
SBI VCトレード 無料 無料 500円~/月 23通貨 毎日/毎週/毎月 ❌️
BITPOINT 無料 無料※1 5,000円~/月 最大22通貨 毎月10日 ⭕️
bitFlyer 無料 220〜770円 1円〜/回 32通貨 毎日/毎週/毎月 ❌️
Coincheck 無料 407円 1万円〜/月 26通貨 毎日/毎月 ⭕️
BitTrade 無料 330円 1,000円〜/月 13通貨 毎日/毎週/隔週毎月 ❌️
Zaif 100円~ 385~770円 1,000円~/月 7通貨 毎日/毎月 ❌️
OKJ 無料 400円~1,320円 1,000円~ 35通貨 毎日/毎週/隔週/毎月 ❌️
バイナンスジャパン 銘柄によって異なる 150円 約4,000円~ 53通貨 毎時間/毎日/毎週/隔週毎月 ❌️
※1:月2回目以降は330円

積立手数料や最低投資金額、投資タイミングなどが取引所によって異なります。

ここではビットコイン積立のおすすめ取引所として3つ紹介しておきましょう。

GMOコイン

名称 GMOコイン
積み立て可能な暗号資産 21種類
最低投資金額 500円
積み立て手数料 無料
出金手数料 無料
積み立てプラン ・毎日
・毎月(10日)
銀行引き落とし 未対応
関連記事 GMOコインの積立投資を解説

GMOコインはGMOグループが運営する暗号資産取引所です。

20種類の暗号資産のつみたてが可能です。積み立てをするに際して手数料は一切かかりません。

さらにGMOコインでは複数の暗号資産を組み合わせて積み立てることもできます

例えば「ビットコインを1,000円分+イーサリアムを500円分」という風に積み立て暗号資産の中でも銘柄の分散化に対応しています。

GMOコインのつみたて暗号資産については別記事でも詳しく解説しました。積立投資におすすめの銘柄も紹介しています。

豊富な取引手法が魅力

GMOコインの口座開設はこちらから

SBI VCトレード

SBI VCトレード
名称 SBI VCトレード
積み立て可能な暗号資産 23種類
最低投資金額 500円
積み立て手数料 無料
出金手数料 無料
積み立てプラン 毎日/毎週/毎月
銀行引き落とし 未対応

SBI VCトレードは、SBIグループの関連会社が運営する暗号資産取引所です。

積立できる暗号資産は23種類。積み立ての頻度を毎日、毎週、毎月の3パターンから選ぶことができます。

SBI VCトレードはメタプラネットやブロックチェーンのOasysと提携するなど他企業との協力関係に力を入れています。SBIグループの関連会社ということもあり、安心して積立投資を行える環境です。

高金利の仮想通貨運用が魅力

SBI VCトレードの口座開設はこちらから

bitFlyer

名称 bitFlyer
積み立て可能な暗号資産 32種類
最低投資金額 1円
積み立て手数料 無料
出金手数料 220〜770円
積み立てプラン 毎日/毎週/毎月
銀行引き落とし 未対応

bitFlyerは仮想通貨黎明期から運営されている暗号資産取引所です。

積み立て暗号資産においては、銘柄数は多めで最低投資金額は1円からと好条件です。

ただbitFleyrは手数料関係が若干高めに設定されています。入金や出金をする時に逐一手数料がかかってしまうため、その点はあらかじめ認識しておいたほうがよいでしょう。

信頼と実績の老舗仮想通貨取引所

bitFlyerの口座開設はこちらから

ビットコイン積立を行なっている人の声

ビットコイン積立を実際に行なっている人は、なにを考えて投資をしているのか見てみましょう。

積立投資はシンプルな投資手法ゆえに、市場環境に左右されずに投資できる点を魅力に感じているひとが見受けられます。また仮想通貨の税金制度が今後変わることを期待して積立投資をしている人の意見もありました。

反対に、短期的な視点では「ビットコイン積立をやめとけ」という声は多く見られました。

ビットコイン積立を行うのであれば、少なくとも長期目線で考えることが重要だと言えます。

ビットコイン積立は懸念点・期待値を両方考えることが大事

ビットコイン積立を検討する際は、良い面だけを考えるのではなくリスク面も考えるのが大事です。

また、もし積立投資をする選択をしたなら、短期ではなく長期的に行うのがよいでしょう。その際にも、積立金額や投資タイミングなどを考慮できそうであれば、なるべく考えておくのが賢明です。

【お知らせ】

仮想通貨の購入やNFTの売買には国内取引所の開設が必要です。

当サイトでは国内全ての取引所を調査して「おすすめの国内取引所」を出しています。

仮想通貨取引所ランキング

記事では各取引所ごとのお得なキャンペーンも記載しています。よろしければご覧ください。

おすすめの海外仮想通貨取引所」を知りたい方は別記事をどうぞ。

The post ビットコインの積立はやめとけと言われる理由 first appeared on Mediverse|暗号資産(仮想通貨)の専門メディア.

続きを見る(外部サイト)

Mediverseカテゴリの最新記事