P2P(ピアツーピア)とは?メリット・デメリットや活用事例を解説

P2P(ピアツーピア)とは?メリット・デメリットや活用事例を解説

P2P(ピアツーピア)とは?メリット・デメリットや活用事例を解説

P2Pとは

P2P(ピアツーピア)は、Peer to Peerを略した言葉です。意味合いとしては「インターネットに接続しているコンピュータ同士が、対等にデータを共有する通信方式」を指します。

P2Pを詳しく解説する前に、まずは従来の通信方式である「クライアント・サーバー方式」を解説します。

クライアント・サーバー方式では、データを保管しているサーバーに対し、多数のクライアント(データを要求する端末)がアクセスしている構図となります。

クライアント・サーバー方式では、サーバーがデータを一括管理しているため、情報の所在が明確になるのがメリットです。しかし、サーバーにデータが集中していることから負荷に耐えられず、サーバーがダウンしてしまう問題を抱えています。

一方の「P2P方式」は、不特定多数のコンピュータがサーバーを介さずにデータのやり取りをする通信方式です。コンピュータ同士に上下関係はなく、対等にデータを共有することができます。

P2P方式は、中央に管理者を持たない「自律分散型」の通信方式となっており、柔軟なデータの送受信を可能にしています。

ただし、P2Pは2000年代初頭に普及し始めた技術であり、全体的にはクライアント・サーバー方式を採用しているサービスの方が多いです。

P2Pのメリット

P2Pのメリットは以下の3つです。

  • いつでも通信が可能
  • 匿名性が高い
  • 低コストでシステムを構築できる

それぞれ見ていきましょう。

いつでも通信が可能

従来の通信方式である「クライアント・サーバー方式」は、中央にあるサーバーがデータを大量に管理する通信方式です。サーバーには他のコンピュータからのアクセスも大量に集中するため、負荷がかかりすぎると「サーバーダウン」を起こしてしまうケースがあります。

一方、P2P方式では複数のコンピュータに処理を分散させており、データの集中を防止しています。そのため、コンピュータに負荷がほとんどかからず、システム全体が落ちてしまうことはまずありません。

P2P方式は、サーバーダウンが起こらず、いつでも通信が可能な「ゼロダウンタイム」を実現しています。

匿名性が高い

P2Pでは不特定多数のコンピュータにデータが分散されているため、すべての情報が把握されることはほとんどありません。

サーバーを介した通信方式では、中央にあるサーバーがハッキングされると全ての情報を抜き取られてしまいます。一方、P2Pはサーバーが存在しないため、仮にハッキングされたとしても個々のコンピュータにある情報のみの被害で済みます。

P2Pは、プライバシーを保護するシステムとして非常に優秀であり、匿名性の高い通信方式と言えるでしょう。

低コストでシステムを構築できる

P2Pは複数のコンピュータを接続させた自律分散型の通信方式なので、中央管理者であるサーバーを用意する必要がありません。

サーバーの購入費や運営費などのコストがかからないため、低コストでシステムを構築できるのがメリットです。

P2Pのデメリット

P2Pのデメリットは以下の2つです。

  • 接続先にセキュリティリスクがある
  • データ処理に時間がかかる場合がある

それぞれ解説していきます。

接続先にセキュリティリスクがある

P2Pは個々のコンピュータ同士が直接データをやり取りするため、接続先のセキュリティに問題があると直接被害を受けてしまう可能性があります。

また、仮にウイルスが侵入してきた時にどのコンピュータから侵入してきたのかを特定するのが困難であり、ウイルスが全体に広がりやすいのもデメリットです。

データ処理に時間がかかる場合がある

P2Pは、多数のコンピュータをインターネット上で接続する通信方式です。

そのため、接続しているコンピュータの数が増えすぎると、データの処理に時間がかかってしまう場合があります。

P2Pの活用事例

P2Pが実際に活用されている事例として、以下の2つを解説していきます。

  • ビットコイン(BTC)
  • LINE

それぞれ見ていきましょう。

ビットコイン(BTC)

仮想通貨の代表格であるビットコイン(BTC)は、P2Pの技術を採用しています。

具体的には、ビットコインを送金する際に発行されるトランザクション(履歴)をマイニングで計算し、ブロックチェーンの分散台帳に記録される際にP2Pが利用されています。

P2Pが台頭する以前は、お金の管理は中央にあるサーバーが管理するのが基本でした。しかし、ビットコインがブロックチェーンとP2Pをかけ合わせたことにより、新たな管理方法として世界中から注目されています。

LINE

日本の大手通信アプリ「LINE」にもP2Pの技術が活用されています。

具体的には、写真や動画を友だちと共有する仕組みにP2Pが導入されており、サーバーを介さない共有が可能です。

LINEでは、ユーザーのアカウント情報などは中央のサーバーで管理していますが、データファイルなどはサーバーを介さないP2P方式によって成立しています。

まとめ

今回はP2Pの概要やメリット・デメリット、活用事例を解説しました。

P2Pは不特定多数の端末をネットワーク上で接続し、相互にデータをやり取りする通信方式です。サーバーを介さずに通信をおこなえるため、サーバーダウンなどの心配がなく、いつでも通信が可能となっています。

P2Pはビットコイン(BTC)などの世界的なテクノロジーにも活用されているため、今後さらに活用事例は増加していくと考えられます。

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