仮想通貨UST(TerraUSD)とは?特徴・チャート・見通しや将来性について徹底解説
仮想通貨UST(TerraUSD)とは?
UST(TerraUSD)とは、米ドル価格にペッグ(固定)するアルゴリズムステーブルコインです。
韓国企業のTerraform Labsが発行しています。
また、現在はUSTからUSTC(TerraClassicUSD)に改名されています。
通貨名 | 旧:TerraUSD現在:TerraClassicUSD |
シンボル | 旧:UST現在:USTC |
現在の価格(2022年10月現在) | 4.22円 |
ブロックチェーン | TerraClassic |
上場した取引所 | Binance、KuCoin、Krakenなど、海外取引所のみ上場 |
公式サイト | Terra公式サイト |
仮想通貨UST(TerraUSD)の特徴3選
UST(TerraUSD)の特徴は以下の3つです。
- 独自のアルゴリズムで価格を安定させるステーブルコイン
- 他のステーブルコインと比べて非中央集権的
- 他のブロックチェーンへ資金を移動できる「ブリッジ機能」
順番に解説します。
独自のアルゴリズムで価格を安定させるステーブルコイン
USTは姉妹コインである「LUNA」と連動し、米ドル価格(1ドル)にペッグ(固定)させます。
USTとLUNAの供給量をプログラムで自動的に調節することで、1ドルに固定する仕組みです。
仕組みは以下のとおりです。
- USTの価格が1ドルを上回った場合、LUNAをバーン(消滅)、USTを発行し価格が下がります。
- USTの価格が1ドルを下回った場合、USTをバーン(消滅)、LUNAが発行され、USTの価格が上昇します。
以上がUSTの仕組みです。
通常ステーブルコインは、ステーブルコインと同額の法定通貨や暗号資産を担保として用意しています。(担保型ステーブルコイン)
USTの場合は「1USTは1ドル分の仮想通貨LUNAといつでも交換できる」という前提があり、加えてアルゴリズムで供給量を操作し、価格を調整していました。
このことから、USTはアルゴリズム型(無担保型)ステーブルコインにカテゴライズされています。
他のステーブルコインと比べて非中央集権的
中央集権とは、一部に権力が集中することです。
例えばTether Limitedが発行するステーブルコインのUSDTは、Tether Limited単独で管理し、価格を1ドルに調節しています。
もし、Tether Limitedが信用を失うことがあれば、USDTの価格に影響があるはずです。
そのため一部に権力が集中するのはリスクがあります。
この点においてUSTは比較的非中央集権的な暗号資産であると言えるでしょう。
他のチェーンとやり取りできる「ブリッジ機能」
名称は「Terra Bridge」といい、Terra以外のブロックチェーンとやり取りできる機能です。
例えば、BSC(バイナンススマートチェーン)でUSTを購入し、TerraへUSTを送金することも可能。
「Terra Bridge」に対応したチェーンであればコインを交換しなくてもいいので、利便性が向上するメリットがあります。
仮想通貨UST(TerraUSD)のチャート・価格動向
USTの価格動向を解説します。
下の画像はUST/USD(米ドル)のチャートです。
上場年の2020年11月~2022年5月まで
発行されてから2021年初頭に15%ほど落ちていますが、持ち直しています。
2022年5月まで1ドルを保っており、ステーブルコインとして機能していたと言えるでしょう。
2022年5月~2022年10月現在まで
2022年5月7日から変動(ディペッグ)があり、14日には$0.1619(約21円)にまで下がりました。
2022年6月18日には最低価格の$0.006218(約0.9円)に。
2022年10月現在、価格は約4円となっており停滞中です。
ディペッグ騒動について
5月7日にTerraform LabsのDefiプラットフォームAnchorProtocolから大量のUSTが移動しました。
その後取引所で売却され、USTの価格が0.985$に下がり約2%のディペッグが発生。
LUNAと連動して安定しているはずのUSTに信用リスクが高まります。
結果USTをユーザーが次々に売却。
下落したUSTの価格を上げるために、USTをバーン(焼却)しLUNAを発行します。
そのため、LUNAの発行量が異常に増えてしまいLUNAが暴落。
「1USTは1ドル分の仮想通貨LUNAといつでも交換できる」という前提は崩れ、USTは暴落しました。
仮想通貨UST(TerraUSD)今後の見通し・将来性
2022年5月の暴落後、復興プラン「Terra 2.0」が発表されました。
Terra2.0のUSTに関する内容は以下の通りです。
- 新しいブロックチェーンを作り、名前をTerraとする
- 旧チェーンTerraをTerraClassicに改名
- 旧チェーンの「LUNA」は「LUNC」(LUNA Classic)に改名し旧チェーンに残る
- 新チェーンでは「LUNA」を供給し、旧USTと旧LUNAの所有者に「LUNA」をエアドロップ
- 新チェーンに「UST」は無く、「USTC(TerraClassicUSD)」に改名し旧チェーンに残る
新チェーンのLUNAと旧チェーンに残ったLUNCが存在することになります。
USTはUSTCへと名称を変更し旧チェーンに残り、5月27日に新チェーンTerraが稼働しました。
その後はTerraプロジェクトの中心メンバーに韓国国内で逮捕状が出され、CEOにはインターポールが国際指名手配書を発行。
今回の出来事では特に無担保型ステーブルコインのリスクが顕在化しました。
USTは革新的なコインでしたが、通貨への信用を失うと暴落します。
今後信用回復するには一連の解決と時間が必要でしょう。
仮想通貨UST(TerraUSD)のまとめ
今回はUST(TerraUSD)について解説してきました。
ポイントは以下の通りです
- アルゴリズムで価格を米ドルにペッグ
- 他のステーブルコインより比較的分散型なコイン
- 他のチェーンに移動できる「ブリッジ機能」
- 2022年5月に歴史的な暴落
ステーブルコインではありますが、価格は戻っておらず現在(2022年10月)も正常に機能しているとは言い難いでしょう。
USTはUSTCへ名称が変更され、旧Terraチェーンに残っているコインなので注意が必要です。
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